山下正寿氏は著書「核の海の証言―ビキニ事件は終わらない」(新日本出版社)の中で、「福島原発事故の政府対応やマスコミ報道を見て、『ビキニ事件に似ている』と直感した。消されようとしたビキニ事件の実相を知らせることが、『福島原発事故のこれからに立ち向かう道筋を示す』と考えた。あのビキニ事件を『第五福竜丸事件』にすり替え、事件の幕引きを強行した日・米政府の政治決着は何をもたらしたのかを再考しなければならない」と述べています。
同書によると、「1954年3月1日、アメリカはマーシャル諸島・ビキニ環礁で水爆実験を開始した。『ブラボー』と名づけられた水爆は、広島原爆の1000倍、『死の灰』は第五福竜丸ほか日本のマグロ船やマーシャル諸島そしてアメリカ中西部からフィリピンまで降りそそいだ」という。
次の日の3月2日、突如として原子炉予算が衆議院に提出され、3月5日に衆議院を通過。日本の原子力開発は、提案者の当時改進党・中曽根康弘代議士が「原子力開発10年史」で記しているように、学術会議が原子力の研究開発に否定的だったのに反し、「政治の力によって突破する以外に、日本の原子力問題を解決する方法はないと直感した」として、科学者の意見を政治家が無視することからスタートした、と指摘。そして、「このような政治優先の姿勢が、原発神話を育成し、科学的判断を軽視して、原発建設を強行し、福島原発事故をひきおこしたといえる」と、断じています。
一方、ビキニ事件をきっかけに反核運動が全国に広がり、日米政府間に政治的危機感をもたらした。鳩山一郎内閣は同年12月にマグロ検査を中止し、見舞金によるビキニ事件の政治決着が進められた。アメリカ大使館が原子力の平和利用を宣伝するために、読売新聞・日本テレビを率いた正力松太郎氏と手を組んで世論操作を展開。このようにして、ビキニ事件の幕引きと原子力開発は同時にすすめられた、と説かれています。
山下氏は、「今後もっとも注意しなければならないことは、東電・政府などが『原発事故で死亡した人はいない』と強調し続けて、放射線被災との因果関係を消し去ろうとすることである。高いレベルの放射線に長期間さらされる危険性のある原発労働者、ガレキ処理労働者、農民、漁民、潜水夫などや、低レベルでも影響を受けやすい子どもたちに病状が出た場合に、専門医によって精密検査を実施することと、その後の健康追跡調査が求められる。これをしなければ、放射線被ばくによる大規模な『完全犯罪』を許し、ビキニ事件の二の舞となる危険性も考えられる」と指摘されています。
同書を読んで、改めてビキニ事件に触れ、日本の政治が何も変わってないことに愕然としました。
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昨日、祭日で集まりが悪いのではと思って参加した佐賀市の県庁前の毎週金曜日の脱原発パフォーマンスにはここ最近ではもっと多くの人が参加し、多くの行き交う車や人々に原発反対を訴えることができました。
今日は、海南友子監督の映画「いわさきちひろ~27歳の旅立ち」を午前中鑑賞。午後は前佐賀大学学長で、現在玄海原発訴訟原告団長の長谷川照(はせがわ あきら)さんの「誰でもわかる!基礎から学ぶ原発の危険性」と題した佐賀県社会保障推進協議会の市民公開講演会に顔を出しました。長谷川さんはていねいに分かりやすく話されましたが、私には難しく、話していただいた大部分がちんぷんかんぷんでしたが、野田政権が「原発ゼロ」を閣議決定できなかった理由として、米政府が再処理事業を不許可とする警告をしたという話は納得できました。
明日はまた、佐賀げんき会運営のみょうが塾の仲間が行っている資源物回収作業のお手伝いに行ってきます。
マーティン・ファクラー、ニューヨーク・タイムズ東京支局長が、テレビ局や全国紙の記者は有名国立大学や難関私立大学の出身者ばかりで、日本のキャリア官僚も同様の大学出身者が採用され、両者は似たような価値観を共有し、「国民よりも官僚側に立ちながら、『この国をよい方向に導いている』という気持ちがどこかにあるのではないか。やや厳しい言い方をするならば、記者たちには『官尊民卑』の思想が心の奥深くに根を張っているように思えてならない」(「本当のこと」を伝えない日本の新聞=双葉新書)と、指摘している。最近の状況をみると、私もそう思わざるを得ません。ところで最近の報道では第三極だけが一人歩きしていて、今日日本維新の会と太陽の党の合流が決まったというものの、合流に際しての具体的な政策についての報道はない。ないないづくしの合流報道で政治部記者として恥ずかしいと思わないところがいまのマスコミの異質さだと思う。また民、自、公以外の政党の政策は一切伝えない。いまの日本の新聞、放送の大マスコミにはほとほとあきれるばかりだ。政局慣れした政治部記者が第三極の派手な動きに振り回され、第三極の広報担当の役割を請け負っている、情けない姿を政治評論家と称する連中とともにさらけ出している。こんな報道しかできないマスコミの政治部は解体したほうが国民には役立つ。前にスコミの職場の片隅にいた私も反省しなければならない。
反原発集会、佐賀市で開催 福島第一原発の事故を受けて反原発を訴える活動を行っている市民団体が11日、佐賀市で集会やデモ行進を行い原発の危険性を訴えました。この反原発集会は「さよなら原発佐賀連絡会」が開いたものです。集会の冒頭、市民団体代表で佐賀大学理工学部の豊島耕一(とよしまこういち)教授が「原発は事故を起こさなくても放射性物質を生産する。次の世代のために私たちの世代の責任を果たしましょう」とあいさつしました。続いて、原発事故の影響を受けて千葉県柏市や福島県から県内に避難している2人が「人間関係や農作物のすべてを壊すのが原発事故」などと危険性を訴えました。集会のあと、参加者はプラカードやのぼり旗を手におよそ30分に渡り市内をデモ行進して道行く市民に反原発を訴えていました。(STS=サガテレビ=ニュースから)

(佐賀市役所南公園で=力久修撮影)
テレビの前では元気で威勢よく見える石原慎太郎氏は実はヨレヨレで、足取りも小刻みで以前のような精悍さは見られないようだ。登庁するのも週に1~2日だけで、公式の場で失礼にも経団連会長を「タヌキみたいなおっさん」と言い、新銀行東京への1000億円出資と400億円の追加出資の責任も取らず、中国が略奪を意図していたとしても、そのきっかけを与えた尖閣問題に火をつけた政治家としての責任も放棄する石原氏には何も期待できない。都民ではない私は投票できないけど、都民のみなさんにはこんな石原都政を引き継ぐような人だけには一票を入れてほしくない。私はつれあいと午後から、東京の「反原発100万人大占拠」集会に呼応して午後2時から佐賀市役所南公園で行われる「原発おことわり」11・11佐賀集会に私や未来に繋がる命を護るために参加します。

先週金曜日の脱原発行動には急きょ残業が入ったものの、少しだけ遅れて参加しました。この日はわざわざ武雄からも数人が駆けつけて参加されていました。寒さも加わったもののバルーンフェスタにともない点灯されたイルミネーションの明かりに照らされながら、約15人が脱原発に向けて元気よくパフォーマンスを繰り広げました。そして次の日曜日(11日)の午後2時から佐賀市役所南公園で東京の100万人集会に連帯して行う「原発おことわり」佐賀集会も合わせてPRしました。
今日、郡司農相が長崎を訪れ、諫干問題で国の対応について説明を行ったようです。事前に関係者に知らせるために農水官僚がリークしたと思われる内容の共同通信配信記事が昨日と今日、佐賀新聞1面に掲載されていました。たぶん長崎新聞にも掲載されていると思います。昨日は開門調査を来年12月から実施する方向で長崎県と最終調整する方針を固めたという内容で、今日は開門調査実施に備えて、干拓農業用水の確保策として349億円をかけ海水淡水化施設を整備するというものです。
NHKによると、郡司農相は諫早干拓地を見学したのち長崎県知事らに開門に向けた先にリークした内容の事業の説明を行い、開門調査で被害が発生した場合は国が補償すると述べたようです。が、長崎県知事らは開門撤回を訴えるだけで、全く協議に応じる様子はなかったそうです。
こうした中、佐賀では漁民や市民が、福岡高裁控訴審での和解協議実現に向けてのつどいが行われました。集会には大串総理補佐官も途中参加され、「関係者の合意に向け全力で頑張りたい」とあいさつされました。また、このほかにも自民党や共産党の県議も参加、それぞれあいさつをされました。和解協議の重要性について、馬奈木昭雄よみがえれ!有明訴訟団長は水俣訴訟の経験から「官僚は国民の利益に反することを平然とやっている」と述べられ、「国が和解に参加しないのは、長崎の反対を隠れ蓑にしているだけ」と指摘され、「協議でもめるような問題はない。問題は何を調査するか」と訴えられました。
このあと、熊本や長崎、佐賀の漁民が和解協議への意見や、漁場の状況などについて話されました。その中で、佐賀の漁船漁業の漁師さんはいま、これまで邪魔者扱いだったクラゲが、大量に中国に輸出できるようになったためクラゲ獲りで忙しいと、話されていました。最後にみんなで「がんばろう」を三唱して、つどいを締めくくりました。