【修の呟き日記(2018.06.30)】

【修の呟き日記(2018.06.30)】
九州電力の新社長に27日に就任した池辺和弘氏(60)は「悪魔の使い」かも知れない。現役時代、たまたま入った佐賀市内の飲み屋さんで会った九電職員の態度の大きさに驚いたことが思い出される。「九州は俺たちで持っている」とでも言いたそうで、酒がまずくなり早々と店を出た。会社に誇りを持つことは否定しないが、そもそも電気料に勝手に料金を上乗せして、しかも原発事故の恐怖に住民を曝しておきながら何を言うかと思った。九電を支えているのは利用者だというのを完全に忘れている。池辺新社長も飲み屋の職員と変わらない。
28日付朝日新聞に池辺社長のインタビュー記事が掲載されている。29日の佐賀県庁横での脱原発を訴える金曜行動で、Sさんはインタビューでの池辺社長の発言について行き交う人びとに怒りを込めて訴えた。その内容だが、核廃棄物の最終処分場について「みんなの力を合わせて処分場ができるように努力するのが大事」と「トイレのないマンション」と言われながら多くの反対を押し切って原発建設を強行しておきながら、核廃棄物の処分場建設の責任が私たち国民にあるような言い方だ。また、「原子力は子や孫、先の世代からお預かりしている技術。豊かでCO2もない生活ができなくなれば責任は我々にある。この技術を子や孫の世代に伝えていくのが国民全体の責任だ」との発言に対し、さすがに朝日新聞記者が「逆にいうと、何万年も残るものを、あとの世代になんとかしてくださいということになりませんか」と反論。盗人猛々しいとはこの池辺社長のことを言うのだろう。
そして国民無視のアベ首相と同じ無責任さを感じたのがこの発言だ。記者の「仮に原発事故が起きて、原子炉を制御するためには社員の生命に危険が及ぶとすればどうしますか」との質問に、池辺社長は「誰かに『行け』というなら、私が(原子炉を)止めに行く。それだけの覚悟を持たないと、原発を運転する事業者のトップは務まらない」と応えた。福島第一原発事故からこの社長は何も学んでいない。原子炉が運転素人の社長一人で止められるはずがない。あえて一人で止めると言った時点でこの池辺新社長の無責任性が明らかにされた。このインタビュー記事を見た方の多くが怒りを感じただろう。
新聞、放送各社がそれぞれインタビューをしているが、新編集局長がインタビューを行った佐賀新聞を含め突っ込みが足らなかったように思える。NHKは2号機の廃炉について質したのに対し、池辺社長は再稼働に含みを持たせる応えだった。
九電は原発再稼働によって九州の住民に新たに原発事故の危機を迫りながら、8日には今夏(ボーナス)に上乗せして、「(原発)4基再稼働を実現できる見通しとなった」ことから「従業員のこれまでの貢献、努力に報いる」として「特別慰労金」5万円を支給した。また今年度から初任給を3000円引き上げるという。労働者の労働条件向上に口を挟むつもりはないが、民間企業は普通、企業努力によって企業内労働者の労働条件向上を図るが、電力会社は電気利用者に負担を強いた上で実現していることを忘れてはいけない。池辺新社長は利用者あっての九電という当たり前のことが理解できないようだ。