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憲法7条改正を求める「読者の声」をめぐって

2017.10.29(10:28) 11199

【報告】第2384日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
★ 富山市 淡川典子 さんから:
憲法7条改正を求める「読者の声」をめぐって

衆議院の「解散」にかかわる、毎日新聞(10/27)の読者の声「憲法7条こそ改
正しよう」を読んでみました。しかし、その文章のなかからは、改正が必要とさ
れる根拠をはっきりとは読み取ることができませんでした。「首相の一方的な判
断で解散できることは、憲法の趣旨に反するとの批判が根強くある」とも、書か
れています。憲法違反なら、「解散できない」のであって、そうであるのに解散
「している」こと が、問題です。この場合、どうして「改正」が必要になるで
しょうか。

つまり、まず憲法の規定自体に問題があることか、憲法の適用段階の問題なのか
を明らかにする必要があるでしょう。
読者の声では、「首相の一方的な判断」としか書かれていませんが、新聞紙上で
しばしばみられる「解散は首相の専権事項」の根拠となる規定は、憲法にはまっ
たくありません。内閣の「衆議院解散権を制約する規定は、憲法上ない」とも云
われたりしますが、内閣に国会の解散権が直接的・一般的に授権されているなら、
ともかく、それが欠けているところで、どうしてそのように云えるでしょうか。

それでは、衆院の解散権は、内閣の専権事項と云えるでしょうか、
よ く云われていることは、7条の天皇の国事行為は、形式的なものであるから、
「衆議院を解散すること」の実質的な権限は、助言と承認を託されている内閣に
あるから、というものです。そのように、単純に一般的に結論づけていいもので
しょうか。

国事行為の冒頭に出てくる二つについて、検討してみましょう。
一番目は、法律等の公布にかかわるものです。国会で法律が制定されたら、それ
を公布するか・しないかの決定権が内閣にあると云えますか。法律自体の最後に
付則として、当該法律がいつから適用されるかも記載されています。つまり内閣
にあるのは、その公布の手続きに入る義務であって、公布してもしなくてもいい
選択権があるわけではありません。つまり、公布の実質 的権限があると云える
ようなものではありません。

二番目は、国会の召集にかかわるものです。国会を召集する権限が、内閣の専権
事項ではないことは、憲法自体が明らかにしています。常会も特別会も期間の制
約つきで、召集しなければならないものであって、召集してもしなくてもいいも
のではありません。臨時会は、内閣の政治的判断で、召集することもできますが、
専権ではありません。53条に示されているように、いずれかの議院の総議員の1
/4以上の要求があれば、内閣は召集の決定をしなければなりません。この規定
では、いつまでに内閣は決めなければならないという定めはありません。が、そ
うだからといって、議員たちの要求を棚上げにできるということではないでしょ
う。

以上、二つみただけでも、国事行為につき、実質的・一般的に内閣が権限を有す
ると云えるようなものではありません。
三番目の国事行為が「衆議院を解散すること」ですが、国会が国権の最高機関で
あり(41条)、議院内閣制(66条・67条・68条)を採っているのに、一般的に内
閣が国会(衆院)を解散できるとするのは、基本的には自らの選出母体を足蹴り
にするがごときものではあるまいか。しかし、例外的にでも、認める余地はない
としてしまえるものか。

ということで、7条のほかに、衆院の「解散」という文字が出てくる69条をみて
みましょう。
<衆議院の内閣不信任と解散または総辞職>
「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任 の決議案を否決したと
きは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」
ここには、どこが衆議院をを解散するかは、明記されてはいません。しかし、ま
ずは国会が国権の最高機関であることが視野に入れられるなら、衆議院自体が解
散を決める場合を想定するのが無理のない処でしょう。
そして、総辞職を強いられる事態に追い込まれた内閣が、不信任に対抗して、衆
院を「解散する」程度の唯一の例外は認められるのではないかと、私は解釈しま
す。
この場合、内閣はつなぎとして残れるだけのことになりますから。

しかし、今回のように、政権に居座るための勢力温存に最適の時期をねらっての
「党利」を専らとする判断からくるものは 、69条とはおよそ関係のない処であ
り、憲法適合性に欠けるものです。

したがって、最初に戻りまして、7条を改正する必要はないということになりま
す。

如何でしょうか。
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