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ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストも秘密保護法案に「懸念」の記事

2013.12.01(16:25) 1154

<JCJふらっしゅ 2327号 G記者の「報道クリップ」より>

▽ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストも秘密保護法案に「懸念」の記事

 西日本新聞は1日、<秘密法求める米でも懸念 有力紙「報道の自由、制限の恐
れ」>の記事を出して、<安倍晋三政権が特定秘密保護法案の成立を急ぐ背景には、
「スパイ天国」ともやゆされてきた日本政府に対して、安全保障に関する情報を同盟
国間で共有できるように米政府が情報管理強化の法整備を強く求めてきた経緯がある
>が、米メディアからは国民の「知る権利」が侵害されるとの懸念が出ていることを
伝えた。

1)2000年、アーミテージ元国務副長官(共和党)ら超党派が発表した対日政策
 提言は、日米の防衛協力の強化を提言した上で「日本の指導者は機密を守る新たな
 法制度について、世論と政治的な支持を得なくてはならない」と明記。
2)07年、日米両政府が締結した「軍事情報包括保護協定」は、日本の機密情報に
 米国と同等の保護を求めた。
3)9月、ワシントンで開かれたシンポジウム。ズムワルト国務副次官補は、中国の
 軍事的台頭や北朝鮮の核問題などで不透明感が増す東アジア情勢を念頭に「同盟で
 は情報交換が重要だ」と強調。その前提として日本の機密を保護する法の早期成立
 に期待感を示した。
3)10月に開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書にも「保全
 された情報の活発な交換で、さまざまな局面や危機でリアルタイムのやりとりを可
 能にする」との目標が盛り込まれた。

 記事は、上記のように、日本の情報管理に懸念を抱く米国が10年以上前から善処
を促してきた事実をふりかえったうえで、一方で、ニューヨーク・タイムズが10月
末、「日本の反自由主義的な秘密法」と題した社説を掲載。防衛省が11年までの5
年間に3万4千件の「防衛秘密」文書を廃棄し指定解除をしたのは1件だけだったな
どと紹介し、特定秘密保護法案は「何が秘密に当たるのかの指針がない」と批判した
こと、国民の「知る権利」が侵害される可能性もあると言及したことを伝えている。

 また、ワシントン・ポストも特定秘密保護法案の衆院通過について、「日本の秘密
法は、報道の自由が制限されるかもしれないとの恐れをかきたてている」と伝えたこ
とを紹介している。

 記事は、米メディアが日本の秘密保護法案の行方を注視する理由について、「オバ
マ政権が国内の情報管理を強化し、漏えいに厳しく対処していることも影響している
ようだ」と指摘する。

 オバマ政権の国内の情報管理については、「ジャーナリスト保護委員会」(ニュー
ヨーク、独裁国家などの報道規制を非難)が10月に報告書を公表した。そのなか
で、オバマ政権の対応を取り上げ、ニューヨーク・タイムズ安全保障担当のスコット
・シェーン記者が「機密情報と普通の情報の間にはグレーゾーンがあり、これまで情
報源の多くはそこの情報をもたらしてくれていたが、今や訴追を恐れ、それすら話し
てくれなくなった」と指摘しており、米政府の規制強化で公務員が萎縮し、メディア
の政府監視力が弱められていると警鐘を鳴らしている、としている。

 米国から「機密を守る新たな法制度」を求められたからといって、「秘密保護法」
の制定に意気込むとは、ずいぶん単純で分かりやすいことである。愚鈍といってもよ
いくらいだろう。日本で情報公開法が施行されたのは01年のことで、それを実質的
に担保する土台とのなる公文書管理法は2009年の成立、11年に施行という状態
でしかない。日本の民主主義の背骨と骨格となる公文書管理と情報公開の整備は、ま
だ端緒についたばかりで、実態は従来をひきずったままずさんな状態が続いている。

 「スパイ天国」と呼ばれかねない状態も、日本の市民社会の話ではなく、政界・官
界の話である。それも公文書管理と情報公開のシステムと概念の未成熟によるもので
あり、今回の特定秘密保護法案が示すものがいかに的外れで、こっけいで、なおかつ
民主主義の精神ともシステムともかけ離れていることも、公文書管理と情報公開のシ
ステムと概念の未成熟による(あるいは、それにつけこもうとする)ものである点を
見過ごすわけにはいかないだろう。

 公文書管理と情報公開の概念とシステムを欠くなかで、米国の注文の「秘密保護」
のみに傾斜・前のめりになること自体が、視野があまりに狭く、見当違いで愚かすぎ
ることである。日本の政府・政治家は、日本の公文書管理と情報公開について、正し
く機能する概念とシステムの構築に傾注すべきなのであって、それを日本社会のベー
スとするなかで、範囲も時期も限定した「秘密」について国民にその許容を求めるべ
きなのである。

 そうした基本的なとらえ方を軽視・無視する水準であるがゆえに、安倍自公政権に
よる特定秘密保護法案が、ニューヨーク・タイムズから「反自由主義的な秘密法」と
批判され、<国民の「知る権利」が侵害される可能性>を指摘され、ワシントン・ポ
ストに同法案の衆院通過について、「日本の秘密法は、報道の自由を制限する恐れ」
を指摘される。

 これは、米国が9・11以降、ブッシュ共和党政権のもとで強化された情報統制の
流れを止めることができずに、それに反対していたはずのオバマ政権に至ってもな
お、情報統制ばかりか情報収集の側面でも活動が国内外に肥大しつづけており、「ジ
ャーナリスト保護委員会」が、米政府の規制強化で公務員が萎縮し、メディアの政府
監視力が弱められていると警鐘を鳴らすことにつながっている。

 公文書管理と情報公開についての基本認識と法的基盤と社会的整備と歴史的経過を
経てきた米国と、ソフト面でもハード面でも依然入り口に立っているに過ぎない日本
社会では、まったく状況は異なるのに、公権力による「秘密保護」にのみ飛びつき、
市民の「知る権利」をおびやかし、さらには国民を監視し、情報統制にまで結びつき
かねない「特定秘密保護法案」のような法案としても成立していないものを出してく
る。

 この逸脱、異常ぶりについては、東京新聞が<自民「人権規約」二枚舌 「秘密法
案は違反」を無視>の記事で、関連する指摘をしている。記事は、<国民の「知る権
利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、国際人権団体や国連の担当者
から基本的人権を定めた多国間条約「国際人権規約」に反するとの批判が相次いでい
る>ことを伝えたうえで、これを<政府・自民党は無視しているが、自民党が昨年、
改憲草案をまとめた際は、人権規約の中の表現を引用し正当化する理由に使った。政
府・自民党は国際条約を自らの都合に合わせて無視したり、利用したりしている>実
態を浮き彫りにした好記事だ。

 民主主義の基盤の構築をないがしろにするうえに、国際社会の常識や条約にはご都
合主義で対応する。これで日本の政治がよくなるはずがない。今回の安倍政権による
「特定秘密保護法案」など、その最たるものといえるだろう。

 NHKによると、アメリカ国防総省の次官補代理や国家安全保障会議の上級部長な
どを務めたモートン・ハルペリン氏は、「法案はアメリカとの情報共有のために必要
だと説明されているが、アメリカが日本との情報共有で求めている水準を大幅に超
え、多くの官僚に過大な権限を与えるものだ」と述べ、「法案は、情報の公益性や知
る権利などについての考慮が十分でなく、政府が、秘密の指定や解除について、外部
からの監視を受けるようにする必要がある」と述べ特定秘密を巡る外部のチェック機
関の重要性を指摘している。

 安倍自公政権の「特定秘密保護法案」。その逸脱・異常ぶりが露呈し続けている。
 参院はこの粗雑で生煮えの「法案」を、そのまま通すのか。参院の構成メンバーで
ある国会議員すべてに、その見識と責任とが問われている。特に自民、公明の与党両
党に所属する国会議員は、何のためにこの法案に「賛成」するのか、その根拠として
いるものは正しいか、法案のもつ負の可能性についての検証は怠っていないか、本当
に日本社会の、日本の市民の役に立つのか、そして自らが議員の職を選んだそもそも
の初心に照らして、それに反しないか。──心して自らに問い直してほしい。

秘密法求める米でも懸念 有力紙「報道の自由、制限の恐れ」(西日本新聞1日)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/55572
秘密保護法案「外部の監視が重要」(NHK30日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131130/k10013464251000.html

の記事

 西日本新聞は1日、<秘密法求める米でも懸念 有力紙「報道の自由、制限の恐
れ」>の記事を出して、<安倍晋三政権が特定秘密保護法案の成立を急ぐ背景には、
「スパイ天国」ともやゆされてきた日本政府に対して、安全保障に関する情報を同盟
国間で共有できるように米政府が情報管理強化の法整備を強く求めてきた経緯がある
>が、米メディアからは国民の「知る権利」が侵害されるとの懸念が出ていることを
伝えた。

1)2000年、アーミテージ元国務副長官(共和党)ら超党派が発表した対日政策
 提言は、日米の防衛協力の強化を提言した上で「日本の指導者は機密を守る新たな
 法制度について、世論と政治的な支持を得なくてはならない」と明記。
2)07年、日米両政府が締結した「軍事情報包括保護協定」は、日本の機密情報に
 米国と同等の保護を求めた。
3)9月、ワシントンで開かれたシンポジウム。ズムワルト国務副次官補は、中国の
 軍事的台頭や北朝鮮の核問題などで不透明感が増す東アジア情勢を念頭に「同盟で
 は情報交換が重要だ」と強調。その前提として日本の機密を保護する法の早期成立
 に期待感を示した。
3)10月に開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書にも「保全
 された情報の活発な交換で、さまざまな局面や危機でリアルタイムのやりとりを可
 能にする」との目標が盛り込まれた。

 記事は、上記のように、日本の情報管理に懸念を抱く米国が10年以上前から善処
を促してきた事実をふりかえったうえで、一方で、ニューヨーク・タイムズが10月
末、「日本の反自由主義的な秘密法」と題した社説を掲載。防衛省が11年までの5
年間に3万4千件の「防衛秘密」文書を廃棄し指定解除をしたのは1件だけだったな
どと紹介し、特定秘密保護法案は「何が秘密に当たるのかの指針がない」と批判した
こと、国民の「知る権利」が侵害される可能性もあると言及したことを伝えている。

 また、ワシントン・ポストも特定秘密保護法案の衆院通過について、「日本の秘密
法は、報道の自由が制限されるかもしれないとの恐れをかきたてている」と伝えたこ
とを紹介している。

 記事は、米メディアが日本の秘密保護法案の行方を注視する理由について、「オバ
マ政権が国内の情報管理を強化し、漏えいに厳しく対処していることも影響している
ようだ」と指摘する。

 オバマ政権の国内の情報管理については、「ジャーナリスト保護委員会」(ニュー
ヨーク、独裁国家などの報道規制を非難)が10月に報告書を公表した。そのなか
で、オバマ政権の対応を取り上げ、ニューヨーク・タイムズ安全保障担当のスコット
・シェーン記者が「機密情報と普通の情報の間にはグレーゾーンがあり、これまで情
報源の多くはそこの情報をもたらしてくれていたが、今や訴追を恐れ、それすら話し
てくれなくなった」と指摘しており、米政府の規制強化で公務員が萎縮し、メディア
の政府監視力が弱められていると警鐘を鳴らしている、としている。

 米国から「機密を守る新たな法制度」を求められたからといって、「秘密保護法」
の制定に意気込むとは、ずいぶん単純で分かりやすいことである。愚鈍といってもよ
いくらいだろう。日本で情報公開法が施行されたのは01年のことで、それを実質的
に担保する土台とのなる公文書管理法は2009年の成立、11年に施行という状態
でしかない。日本の民主主義の背骨と骨格となる公文書管理と情報公開の整備は、ま
だ端緒についたばかりで、実態は従来をひきずったままずさんな状態が続いている。

 「スパイ天国」と呼ばれかねない状態も、日本の市民社会の話ではなく、政界・官
界の話である。それも公文書管理と情報公開のシステムと概念の未成熟によるもので
あり、今回の特定秘密保護法案が示すものがいかに的外れで、こっけいで、なおかつ
民主主義の精神ともシステムともかけ離れていることも、公文書管理と情報公開のシ
ステムと概念の未成熟による(あるいは、それにつけこもうとする)ものである点を
見過ごすわけにはいかないだろう。

 公文書管理と情報公開の概念とシステムを欠くなかで、米国の注文の「秘密保護」
のみに傾斜・前のめりになること自体が、視野があまりに狭く、見当違いで愚かすぎ
ることである。日本の政府・政治家は、日本の公文書管理と情報公開について、正し
く機能する概念とシステムの構築に傾注すべきなのであって、それを日本社会のベー
スとするなかで、範囲も時期も限定した「秘密」について国民にその許容を求めるべ
きなのである。

 そうした基本的なとらえ方を軽視・無視する水準であるがゆえに、安倍自公政権に
よる特定秘密保護法案が、ニューヨーク・タイムズから「反自由主義的な秘密法」と
批判され、<国民の「知る権利」が侵害される可能性>を指摘され、ワシントン・ポ
ストに同法案の衆院通過について、「日本の秘密法は、報道の自由を制限する恐れ」
を指摘される。

 これは、米国が9・11以降、ブッシュ共和党政権のもとで強化された情報統制の
流れを止めることができずに、それに反対していたはずのオバマ政権に至ってもな
お、情報統制ばかりか情報収集の側面でも活動が国内外に肥大しつづけており、「ジ
ャーナリスト保護委員会」が、米政府の規制強化で公務員が萎縮し、メディアの政府
監視力が弱められていると警鐘を鳴らすことにつながっている。

 公文書管理と情報公開についての基本認識と法的基盤と社会的整備と歴史的経過を
経てきた米国と、ソフト面でもハード面でも依然入り口に立っているに過ぎない日本
社会では、まったく状況は異なるのに、公権力による「秘密保護」にのみ飛びつき、
市民の「知る権利」をおびやかし、さらには国民を監視し、情報統制にまで結びつき
かねない「特定秘密保護法案」のような法案としても成立していないものを出してく
る。

 この逸脱、異常ぶりについては、東京新聞が<自民「人権規約」二枚舌 「秘密法
案は違反」を無視>の記事で、関連する指摘をしている。記事は、<国民の「知る権
利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、国際人権団体や国連の担当者
から基本的人権を定めた多国間条約「国際人権規約」に反するとの批判が相次いでい
る>ことを伝えたうえで、これを<政府・自民党は無視しているが、自民党が昨年、
改憲草案をまとめた際は、人権規約の中の表現を引用し正当化する理由に使った。政
府・自民党は国際条約を自らの都合に合わせて無視したり、利用したりしている>実
態を浮き彫りにした好記事だ。

 民主主義の基盤の構築をないがしろにするうえに、国際社会の常識や条約にはご都
合主義で対応する。これで日本の政治がよくなるはずがない。今回の安倍政権による
「特定秘密保護法案」など、その最たるものといえるだろう。

 NHKによると、アメリカ国防総省の次官補代理や国家安全保障会議の上級部長な
どを務めたモートン・ハルペリン氏は、「法案はアメリカとの情報共有のために必要
だと説明されているが、アメリカが日本との情報共有で求めている水準を大幅に超
え、多くの官僚に過大な権限を与えるものだ」と述べ、「法案は、情報の公益性や知
る権利などについての考慮が十分でなく、政府が、秘密の指定や解除について、外部
からの監視を受けるようにする必要がある」と述べ特定秘密を巡る外部のチェック機
関の重要性を指摘している。

 安倍自公政権の「特定秘密保護法案」。その逸脱・異常ぶりが露呈し続けている。
 参院はこの粗雑で生煮えの「法案」を、そのまま通すのか。参院の構成メンバーで
ある国会議員すべてに、その見識と責任とが問われている。特に自民、公明の与党両
党に所属する国会議員は、何のためにこの法案に「賛成」するのか、その根拠として
いるものは正しいか、法案のもつ負の可能性についての検証は怠っていないか、本当
に日本社会の、日本の市民の役に立つのか、そして自らが議員の職を選んだそもそも
の初心に照らして、それに反しないか。──心して自らに問い直してほしい。

秘密法求める米でも懸念 有力紙「報道の自由、制限の恐れ」(西日本新聞1日)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/55572
秘密保護法案「外部の監視が重要」(NHK30日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131130/k10013464251000.html

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