OECDのMCCI実験報告SURC-4について1
第2782日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
★ 中西正之 さんから:
OECDのMCCI実験報告SURC-4について1
<OECDのMCCI実験報告SURC-4の概要>
OECD(経済協力開発機構)のNEA(原子力機関)は1979年3月に発生
したスリーマイル島原発のメルトダウン事故の発生後、原発のメルトダウン発生
時のシビアーアクシデント対策を非常に重要視し、水蒸気爆発実験と水蒸気爆発
のシミュレーションプロクラムの開発及びMCCI(コアコンクリート反応)の
実験とシミュレーションプロクラムの開発に力を注いでいます。
そして、OECDのNEAは、1989年12月に「ISP-24、SURC-4
EXPERIMENT ON CORE-CONCRETE INTERACTIONS」の報告を行っています。
https://www.oecd-nea.org/nsd/docs/1989/csni89-155-vol2.pdf
この報告書の始めに、OECD(経済協力開発機構)の説明と、NEA(原子力
機関)の説明が行われています。
日本もこれらの機関に加盟しています。
SURC実験は、米国のサンディア国立研究所によって実施されています。
SURC実験は、実機と同様な組成のUO2デブリを使用したSURC-1、2と疑
似デブリにSUS304を使用したSURC-3、4の4回の実験が行われてい
ます。又、SURC実験は石灰岩系のコンクリートを使用したものと、玄武岩系コン
クリートを使用したものについて行われています。
NEAはISP-24のコード比較の国際標準問題に、SUS304と玄武岩系コ
ンクリートを使用したSURC-4を選定し、検討を行っています。
海外では石灰岩系のコンクリートを使用した原子炉が多いようですが、日本の
原発は玄武岩系コンクリートを使用したものが多いので、SURC-4の報告は、
良い参考になると思われます。
実験装置の図面の説明が14ページ、15ページに掲載されています。
実験用のルツボは外径60cm、内径40cmでMgO(酸化マグネシウム)の
キャスタブルで制作されています。その中に厚さ40cmの玄武岩コンクリート
を流し込んで有ります。このるつぼの中に約200kgのSUS304のステン
レス鋼が挿入されています。このるつぼの中には、それ以外に6kgの核分裂生
成物模擬材をコンクリート表面に敷いて、ステンレス鋼の溶解が進むまでの断熱
材に使用しています。
ステンレス鋼の溶解は、マグネシアるつぼの外部に設置した誘導加熱用コイルに
よって行っています。
16ページの表2.1に玄武岩コンクリートの化学成分が表示されています。1
7ページの表2.2にSUS304のステンレス鋼の化学成分が表示されています。
玄武岩コンクリートには水分のH2Oが4.2%と石灰岩分に含まれるCO2が2.5
%含まれています。
これらの成分が、MCCIの反応時、ステンレス鋼やZr(ジネコニウム)と
反応し、爆発性の水素ガスやCOガスを大量に発生し、爆発により格納容器を破
壊する原因となり、また水蒸気爆発の巨大なトリガーに成ると思われます。
★ 中西正之 さんから:
OECDのMCCI実験報告SURC-4について1
<OECDのMCCI実験報告SURC-4の概要>
OECD(経済協力開発機構)のNEA(原子力機関)は1979年3月に発生
したスリーマイル島原発のメルトダウン事故の発生後、原発のメルトダウン発生
時のシビアーアクシデント対策を非常に重要視し、水蒸気爆発実験と水蒸気爆発
のシミュレーションプロクラムの開発及びMCCI(コアコンクリート反応)の
実験とシミュレーションプロクラムの開発に力を注いでいます。
そして、OECDのNEAは、1989年12月に「ISP-24、SURC-4
EXPERIMENT ON CORE-CONCRETE INTERACTIONS」の報告を行っています。
https://www.oecd-nea.org/nsd/docs/1989/csni89-155-vol2.pdf
この報告書の始めに、OECD(経済協力開発機構)の説明と、NEA(原子力
機関)の説明が行われています。
日本もこれらの機関に加盟しています。
SURC実験は、米国のサンディア国立研究所によって実施されています。
SURC実験は、実機と同様な組成のUO2デブリを使用したSURC-1、2と疑
似デブリにSUS304を使用したSURC-3、4の4回の実験が行われてい
ます。又、SURC実験は石灰岩系のコンクリートを使用したものと、玄武岩系コン
クリートを使用したものについて行われています。
NEAはISP-24のコード比較の国際標準問題に、SUS304と玄武岩系コ
ンクリートを使用したSURC-4を選定し、検討を行っています。
海外では石灰岩系のコンクリートを使用した原子炉が多いようですが、日本の
原発は玄武岩系コンクリートを使用したものが多いので、SURC-4の報告は、
良い参考になると思われます。
実験装置の図面の説明が14ページ、15ページに掲載されています。
実験用のルツボは外径60cm、内径40cmでMgO(酸化マグネシウム)の
キャスタブルで制作されています。その中に厚さ40cmの玄武岩コンクリート
を流し込んで有ります。このるつぼの中に約200kgのSUS304のステン
レス鋼が挿入されています。このるつぼの中には、それ以外に6kgの核分裂生
成物模擬材をコンクリート表面に敷いて、ステンレス鋼の溶解が進むまでの断熱
材に使用しています。
ステンレス鋼の溶解は、マグネシアるつぼの外部に設置した誘導加熱用コイルに
よって行っています。
16ページの表2.1に玄武岩コンクリートの化学成分が表示されています。1
7ページの表2.2にSUS304のステンレス鋼の化学成分が表示されています。
玄武岩コンクリートには水分のH2Oが4.2%と石灰岩分に含まれるCO2が2.5
%含まれています。
これらの成分が、MCCIの反応時、ステンレス鋼やZr(ジネコニウム)と
反応し、爆発性の水素ガスやCOガスを大量に発生し、爆発により格納容器を破
壊する原因となり、また水蒸気爆発の巨大なトリガーに成ると思われます。
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