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脱炭素化で石炭火力の穴埋めに原発を利用するのはやめてください

2020.10.30(20:12) 29826

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30日の佐賀県庁横、くすの栄橋での金曜行動には私のFB友が長崎県から所用で佐賀市に来られたついでにスタンディングに参加され、7人でアピール行動を行いました。もうすっかり暗くなり、昨日から始まった「サガ・ライトファンタジー」の中央通りの明かりが目立ちます。明日と明後日の朝には佐賀市内の空にふわりふわりとバルーンが飛び交う「おうちでバルーン」も行われます。そんな中で私が読み上げた原稿内容は脱炭素化を打ち上げたものの、石炭火力の穴に原発を活用しかねない菅首相の「2050年実質ゼロ」問題を取り上げました。私の原稿は下記の通りです。


 菅義偉(よしひで)首相は就任後初となる26日の所信表明で、国内二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにすると宣言しました。政府はこれまで「2050年に80%削減」「脱炭素社会を今世紀後半の早期に実現」すると説明してきました。このため、ゼロまで減らす年限を示さない曖昧な対応で「環境問題に消極的だ」との批判を受けてきました。

2018年10月、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候変動による最悪の事態を回避するためには世界の気温上昇を1・5度までに抑えなければならず、そのために2050年までに温室効果ガス排出をゼロにすべきだと警告しています。2050年までの達成は、パリ協定に参加する全ての国に求められ、既に120カ国以上が賛同し、世界最大の排出国である中国も「2060年までに実質ゼロを達成する」と9月に表明しました。

しかし、日本の達成目標は2013年度の実績を基準に「2030年度に26%削減、2050年までに80%削減」という内容で見劣りしていました。これでようやくスタート地点にたったといえますが、世界5位の大排出国としては遅すぎました。そして心配なのが、実現方法についての具体的政策が全く示されてなく、実現する道筋が描けていません。脱炭素社会実現のためには再生可能エネルギーの拡大が欠かせませんが、逆に政府はCO2排出量の多い旧式で非効率の石炭火力の9割を2030年度までに休廃止する一方、高効率の石炭火力は維持する方針を掲げています。経済産業省が先日創設した「容量市場」は再生可能エネルギーを販売する新電力に大きな負担を課す一方、石炭火力などに補助金を与える効果を持ち、再生可能エネルギーの事実上の抑制策を推進しているようにみえます。これでは日本政府の本気度がみえてきません。

「2050年に実質ゼロ」は非常に高いハードルです。2030年に2010年比で45%削減しないと実現は難しいでしょう。現在の日本の目標は「2013年度比で26%削減」にとどまり、このままでは「2050年に実質ゼロ」の達成はほぼ不可能です。だからまず手をつけるべきは石炭火力からの撤退を決め、化石燃料による発電を減らし、再生可能エネルギーを大幅に拡大するしかありません。30年先の話だと考えず、できるだけ早く10年後の目標を大幅に引上げる必要もあります。

 問題は、所信表明演説で菅首相が「安全性を重視して原子力政策を進める」と述べ、石炭火力の穴を原発で埋める考えを滲ませたことです。自民党内では原発の新設を検討すべきだとの声も上がっているそうです。まさか脱炭素化は原発再稼働と新設のための口実ではないと思いますが、学術会議問題もあり菅首相の本気度に疑問がありますが、これは世界の流れに逆らうもので、原発の再稼働や新設は許されません。原発には重大事故リスクがあり、安全確保のための費用は膨大で、なによりも悲惨な事故を経験した国民の理解が得られるわけがありません。むしろ政府は「2050年実質ゼロ」に向けて、脱原発依存への道筋を示すべきです。

 国のエネルギー基本計画は2030年度の電源構成を、火力56%、再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%としています。政府は今月、来年夏の計画改定に向けた議論を開始しました。国際エネルギー機関(IEA)によると、日本の1~6月の再生可能エネルギー比率は太陽光の拡大などで23%まで上昇しており、一方で、原発比率はIEAの集計によると6%で、目標の22%に遠く及びません。2050年時点で再生可能エネルギーが最大の電源になるのは間違いありません。

当面必要なのは、今月から始まった中長期の「エネルギー基本計画」の見直しを機に、脱石炭火力や再生可能エネルギー比率の大幅引上げの方向性を2030年の電源構成目標で明確にすることです。菅首相は石炭火力の穴を原発で埋める考えをにおわせていますが、事故リスクや巨額の安全対策費などを考えれば、脱原発は不可避です。「2050年実績ゼロ」に近づけるためには、原子力・石炭火力はすべて早期に廃止し、2030年に向けたエネルギー・気候変動政策を省エネルギーと再生可能エネルギーを主体とした方向に早急に転換することが求められます。
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