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菅首相の学術会議つぶしは「計算ずく」だったと言えるワケ

2020.11.29(20:59) 30298

杉野です。

菅首相の学術会議つぶしは「計算ずく」だったと言えるワケ
11/29(日) 7:01配信
なぜ日本学術会議を燃やしたのか?
 菅政権の発足直後から、連日にわたって大きな騒動となり、いまだに燻ぶり続けている「日本学術会議会員の任命拒否」問題。 6人の学者の任命を拒否したことについて、首相が当初「総合的かつ俯瞰的に判断した結果」などと、実質的にはほとんどなにも言っていないに等しい曖昧な説明を行ったことで、ネットやマスコミではさまざまな憶測が飛び交い、多くの批判が噴出した。この論争はセンセーションを呼び、結果的には知名度も一般の関心も低かった「日本学術会議」の存在に、大きな注目が向けられることになった。 他誌で私は「菅首相は、任命を拒否することが学術界において大きな “騒ぎ” を引き起こしそうな著名な学者6人を、あえて拒否したのではないか」――と指摘した。それは、いくら叩かれたとしても、最終的には国民の多数を味方につけることができるだろう、という十分な「勝算」を菅首相が見出していたからだ。 実際のところ、アカデミアやマスメディアからの「学問の自由の侵害だ」といった批判の声とは裏腹に、世論調査によれば、菅首相への批判はそれほど広がっていないことが明らかになっている。〈日本学術会議の新しい会員として推薦された6人の任命を菅義偉首相が拒否したことについて、「問題だ」と答えた人は37%で、「問題だとは思わない」は44%、「どちらとも言えない」は18%だった。「問題だ」と答えた人の8割近くが、菅内閣を「支持しない」と答えており、任命拒否問題が支持率低下の一因となったようだ。ただ、支持率の下落は7ポイントにとどまっており、この問題への批判は広がりを欠く面もあるようだ。 菅政権が学術会議のあり方について見直しを検討していることについては、「適切だ」が58%で、「適切ではない」の24%を上回った。「わからない」は18%だった。学術会議の改革を求める声も強いことがうかがえる〉(毎日新聞『内閣支持率7ポイント減、57% 「任命拒否は問題」37% 毎日新聞世論調査』2020年11月8日より引用)  それどころか、この毎日新聞の世論調査によれば、菅首相は国民の関心を日本学術会議へ巧みに引き寄せ、さらには「日本学術会議のあり方を見直すべきだ」という世論を形成させることにさえ成功しているように見える。まずは大きく揺さぶって相手を慌てさせ、「話し合い」の場に引きずり出す。そして、自分たちの望む方向へと半強制的に「ナシ」をつける――そうした手法を菅首相は用いたのではないだろうか。
真の狙いは「自民党の宿願成就」
 菅首相は、世間で思われている「田舎者」だとか「寡黙」といった牧歌的で中道的な――悪くいえば地味な――イメージとは裏腹に、安倍前首相よりはるかにラディカルで強かな戦略家であるように見える。 菅首相は、一般国民からは「インテリのサロン」であるかのように見える日本学術会議をあえて騒動に巻き込むことによって、「エリートの既得権益者の利権を糾す、実行力のあるリーダー」という国民的イメージの定着を狙い、そしてその狙いは一定の成果を得た。 しかしながら、おそらく菅首相が目指している最終的な「着地点」はそこではない。日本学術会議への批判を焚きつけることによって「改革を断行するリーダー」というイメージを国民の間に定着させることは、あくまで通過点であり、手段のひとつでしかないのだ。 菅首相の考える「着地点」は、例えば「日本学術会議を内閣府に紐づく公的組織として、ムダをなくして透明性を担保する」といったようなことではないだろう。もちろん、政府内で一部囁かれているような「日本学術会議の完全民営化」や、あるいはもっと極端な「学術会議廃止論」でもない。 今回の騒動の真の目的は、憲法改正と軍事研究への筋道をまっすぐに切り開くことではないだろうか。
「敵」を指し示すという手法
 日本学術会議は、第二次世界大戦までに日本のアカデミアがとってきた態度への反省から「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」との声明を、発足直後の1950年に出し、現在までその姿勢を一貫して保ってきた。しかし自民党からすれば、近年隣国との安全保障上の緊張が高まっていくなかで、半世紀以上にわたって国内軍事研究を食い止める「楔」となっていた学術会議の存在がますます疎ましく感じられるようになっていった。 実際のところ、任命拒否に端を発する騒動に「対応」するために発足したプロジェクトチームでは、主軸となっている自民党の下村博文政調会長によれば「軍事研究を否定するのであれば、行政機関から外れるべき」という方向性がすでに示されている。 もし、いきなり軍事研究解禁への議論を政府が始めれば、猛烈な反発が巻き起こることは間違いない。しかし、先んじて軍事研究の解禁に反対する学者たちを、一般国民にとっての「敵」であると指し示すことができればどうだろうか。 予想される国民からの反発を緩和するための「バッファ」として、あえてこの学術会議の騒動を起こし、世間の関心を集中させる。そして、「政府が多額の公金を出しているというのに、学者たちは国の利益に反する活動をしている。そのような組織があってよいだろうか?」と国民に呼びかけ、自民党の追い風になるような世論を形成したのだ。
学術会議が迫られる「選択」
 今回の「任命拒否問題」によって国民的な非難が首相に向けられ、内閣への不支持が高まるはずだ――という野党支持者の期待もあえなく外れ、政権よりもむしろ日本学術会議のほうが、今ひじょうに厳しい状況に陥っている。  国民からの追い風を鋭敏に感じとった政府は、学者たちの側に、「その気になれば、ほかの学者の任命を外すこともできる(さらに強い手段に出ることも厭わない)」というカードをまず突き付けたうえで「軍事研究を否定する姿勢を抜本的に改めるか」さもなければ「『学術会議そのもののあり方を見直す』という流れを強化し、税金の投入を絞って締め上げる」という二択を迫っている。冒頭で「自分たちの望む方向へ『ナシ』をつける」と書いたが、語弊を恐れずいえば、まさしく菅政権のやり方は「ヤクザ的」なのである。  このような恫喝的ともいえるやり口を、これまでの自民党の右派政権、政治家がまったく考えつかなかったわけではないだろう。ともすれば「独裁者」や「軍国主義者」といった誹りを免れ得ないような「蛮勇」に、本気で打って出るような人物がいなかっただけだ。 しかし菅義偉は違った。  安倍晋三前首相は、在任期間中、左派から再三にわたって「改憲を悲願としている」「日本を軍事国家にしようとしている」「ヒトラーの再来」などと指弾された。しかしそうしたイメージのわりに、実際には改憲や軍事研究の解禁といった政策につながる動きは、ほとんど見せなかったと言っていい。 だが、菅首相はそうしたリスクに二の足を踏むことながない。むしろ、「右派的」として警戒された麻生政権や安倍政権よりもはるかにラディカル、かつ鮮やかなやりかたで、自民党の長年の野望を急ピッチで達成することを目論んでいるように見える。
御田寺 圭
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