直言更新のお知らせ(2022年2月28日)「東アジアの不戦のメッセージ」★ 早稲田大学の水島朝穂 さんから
★ 早稲田大学の水島朝穂 さんから:
直言更新のお知らせ(2022年2月28日)「東アジアの不戦のメッセージ」
――「プーチンの7日間戦争」が始まるなかで
直言更新のお知らせを致します。
http://www.asaho.com/jpn/index.html
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2022/0228.html
■
24日、ロシア軍がウクライナに全面侵攻して、戦争が始まりました。国際法に公
然と違反する侵略戦争です。「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」
(国連憲章24条)を負う安全保障理事会の常任理事国であるロシアが、自ら「平
和に対する脅威」「平和の破壊」「侵略行為」の主体となるという、とんでもな
い状況が生まれています。時間を77年前に引き戻すような事態です。
■
その2日前に、90歳を超える著名な方々が声明を出しました。「戦争の時代を直
接体験したいわば最後の世代に属する」著名な18人が、「2」が12個並ぶ時に、
「東アジアの不戦のメッセージ」を発するという試みです。今年最初の直言で紹
介し、予告していました。
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2022/0103.html
2月22日の夜10時ではなく、午後2時に記者会見で発表されました。今回の直言
ではそれを詳しく紹介します。93歳の西原春夫元早大総長の「超克の理論」の意
義についても、私なりに論じました。
■プーチンによるウクライナ侵略は、これまでの国際法秩序を破壊するもので
す。ですが、2月24日のプーチンの演説をじっくり読んでみると、彼の被害妄想
と言い切れないような、鋭い指摘もみられます。
https://www.spectator.co.uk/article/full-text-putin-s-declaration-of-war-on-ukraine
国連安保理決議なしの旧ユーゴへのNATO「空爆」、イラクへの「レジーム・
チャンジ」の侵略、リビア、シリアへの米国等による政権転覆です。プーチンは
これをいちいち挙げて、自らの行為を正当化しています。自衛権の行使、集団的
自衛権の行使、人道的介入と3つの法的根拠をあげますが、これは法的には成り
立たちません。
それでも、あえて武力行使に出たのはなぜか。
ウクライナについて、前回の直言で紹介した、「NATO加盟の永遠の待合室」と
いう議論、ウクライナの現政権側のもつ問題点などもしだいに明らかになってい
くと思います。
■まずは、停戦、ロシア軍の撤退ですが、私は3月4日のパラリンピック開会式ま
でにプーチンは決着をつけようと、イスラエルのダヤン国防相をまねしているの
ではと思っています。「プーチンの7日間戦争」というのが当初のプーチンのよ
みでしたが、ウクライナ側の抵抗の激しさでその目算が狂ってくると思います。
大変困難ですが、ロシア国内の反戦世論の高まりが注目されますが、ロシア軍
の将校集団のなかからのプーチン離反など、いろいろなことが今後起きてくると
思います。まずは、日本を含めて、この戦争を止めるための世論をつくることが
大切です。
■要注意なのは、これに便乗して、「敵基地攻撃能力論」から憲法改正にいたる
「惨事便乗型改憲論」が、「癒(ゆ)党」である維新・国民民主の準与党化により
加速されかねないことです。これはまた書くことにします。
■それでは、感染予防に最大限の注意を払って、今週もどうぞご無事にお過ごしください。
(第3968目☆原発止めよう!九電本店前ひろば★より)