<第5回 CCS長期ロードマップ検討会2>
★ 中西正之 さんから:
<第5回 CCS長期ロードマップ検討会2>
2022年5月11日に開催された「第5回 CCS長期ロードマップ検討会」の議事要旨が公開されています。
[a:https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/ccs_choki_roadmap/pdf/005_gijiyoshi.pdf]005_gijiyoshi.pdf
(meti.go.jp)
CCSは、(Carbon
dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の回収・貯留)を意味しており、その主な機能は、二酸化炭素の回収と二酸化炭素の貯留に分かれています。
そして、二酸化炭素の回収技術は、石炭や石油、天然ガスからの水素製造時、発生したガスからの水素とCO2と窒素との分離技術が広く使用されています。
また天然ガスの採掘時、メタンガスと同時に採掘されるCO2をメタンガスから分離する技術が広く使用されています。
また、石炭や石油、天然ガスを燃料とする火力発電所の燃焼排ガスからのCO2と窒素との分離技術もすでに開発が進んできており、いま世界では二酸化炭素の回収技術はすでに実用化技術と考えられています。
一方、二酸化炭素の貯留方法については、EORやEGRの方法と、地中貯留の二つの方法があります。
EORやEGR(EOR:Enhanced Oil Recovery、EGR:Enhanced Gas Recovery、石油や天然ガスの採掘促進)の方法は、あまり経費の掛からない方法なので、すでに世界各地でかなりの設備が稼働されている実用化された技術です。
しかし、CO2の地中貯留の方法は、CO2の圧入井の試掘に巨額の費用がかかり、CO2の圧入にもかなりな経費が掛かるために、これまで世界中でもCO2の地中貯留設備の長期運転実績が少なく、そのために日本では多くの人からはこれまでCO2の地中貯留設備は未完成の技術と考えられてきたようです。
しかし、この議事要旨を調べると、そうではないようです。
この議事要旨では、日本が世界の先進国並みに、ある程度の大きな炭素税を採用するように成れば、日本で大量のCCSの採用の推進は容易になると思われるが、日本の炭素税を採用についての論議は、この審議会では行わず、現状のままで、CCS長期ロードマップの策定を行うと説明されています。
そして、CO2の地中貯留設備の採用は、海外での設備に期待するのではなく、日本国内で大量設置することを前提としています。
それを行う場合は、日本国内に大量のCO2の地中貯留設備が必要と説明されています。
ただ、今の日本では、日本国内に石油や天然ガスの井戸が極めて少なく、海底に井戸を掘るリグ船もシンガポールから呼び寄せるような状態のようです。
また、海底下の地質構造を立体的に調べる観測船も日本では「たんさ」のみで、地中貯留井戸の探索は大変な困難があるようです。
そして、「試掘費用:陸域約50億円/本、海域約80億円/本」と説明されており、日本国内での初期のCO2の地中貯留設備の設置には、かなりな補助金が必要なようです。
(第4060目☆原発止めよう!九電本店前ひろば★より)