東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会2
★ 中西正之さんから:
東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会2
<第30回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会に付いて>
2022年6月30日に第30回東京電力福島第一原子力発電所における事故分析に係る検討会が開催されています。
[a:https://www.nra.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/jiko_bunseki01/140000073.html]第30回東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会|原子力規制委員会
(nra.go.jp)
この審議会の議事録が公開されています。
[a:https://www.nra.go.jp/data/000400468.pdf]000400468.pdf
(nra.go.jp)
これまでの幾つかの検討会において、クラスト[溶融燃料とコンクリートとの相互作用(MCCI) による生成物の]の話題がありましたので、28回から36回までの検討会の議事録の中にクラストの単語が使用されているものを調査してみました。
その結果、30回検討会で20語、32回検討会で5語、33回検討会で4語、34回検討会で1語、35回検討会で3語、使用されており、30回検討会ではクラストの検討が非常に熱心に行われていることが分かりました。
そこで、30回検討会の議事録の3ペジから34ペジに記録されている議題1.1号機原子炉格納容器内部調査の状況について
の検討記録の中で、クラストについての審議を詳細に調査しました。
クラストの検討の始まりは、11ページの山中委員の提起から始まっています。
15ペジには、原子力エネルギー協会(宮田部長)の「今、テーブル状のというやつが、空孔を含んでいるというところからすると、何となくクラストっぽい感じがしていて。」との発言が記録されています。
ただ、17ページに東京電力よりの「OECDのMCCIプロジェクトのCCI-2試験というのを検証しているものになるんですけれども、左から2番目の絵については、白く書かれているものが、白い線で書かれているのが、このCCI-2試験の試験結果になります。
それに対して、このSAMPSONの改良MCCIモデルは、こんな感じで評価できましたよというのを示しているんですけども、やはりどうしても下のほうに掘り進んでいくというモデルになってますので、右側の1F1号機に適用した解析についても、盛り上がっているという解析結果にはやはりなってなかったというふうに記憶しております。」との説明が記録されており、MCCI実験のクラストのモデルでは、今回の現象は説明できないとの意見が示されています。
多くの委員から、格納容器内のペデスタルの開口部と、格納容器のペデスタル外部の状況や、鋼板製の格納容器シェルの損傷の少ない外観から、クラストの影響の考察が行われています。
また、複数の委員からは格納容器内のペデスタルの開口部付近のコンクリートの残存部分は、クラストによって溶けたとは思われにくく、別の損傷原因ではないかと推定されるとの意見もあります。
しかし、水蒸気爆発説は全く示されていないようです。
(第4421日目☆原発止めよう!九電本店前ひろば★より)