<川内原子力発電所の運転期間延長の検証における設計の経年劣化問題1>
★ 中西正之 さんから:
<川内原子力発電所の運転期間延長の検証における設計の経年劣化問題1>
2022年4月25日に「第3回川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会」が開催されています。
[a:https://www.pref.kagoshima.jp/aj02/0404bunkakai.html]鹿児島県/第3回分科会(令和4年4月25日) (pref.kagoshima.jp)
守田委員からの意見の表明があり、議事録の38ページに記録されています。
この発言は「1点ほど設計の経年化という視点で御質問をさせていただきたいのですが,・・・この分科会では,主に物理的な経年劣化について,非常に詳しく議論をしているところでございますけども,安全な長期運転に向けて,非物理的な経年劣化,ここで申し上げておりますのは設計の経年化という視点に立って,ほかのプラントとの比較,新知見などを踏まえて,設計の経年化に基づく対策というものを,九州電力さんとしては,60年の運転を見据えてどのようにお考えなのか,この辺り少し整理をして分科会で御紹をいただければと思います。よろしくお願いいたします。」とあり、極めて重要な発言と思われます。
この発言に対して九州電力からは「はい,九州電力の木元です。先生おっしゃられたように,設計の古さというのは規制委員会でも議論になっておりまして,電力会社,あとメーカーの方でATENAというものを設立しまして,その中で設計の古さ,経年化というものを議論しておりまして,その取組について,また改めて御説明をさせていただきます。」との注目すべき答弁が行われています。
2022年8月2日に「第4回川内原子力発電所の運転期間延長の検証に関する分科会」が開催されています。
[a:https://www.pref.kagoshima.jp/aj02/20220802bunkakai.html]鹿児島県/第4回分科会(令和4年8月2日) (pref.kagoshima.jp)
この分科会で、次の資料が配布されています。
[a:https://www.pref.kagoshima.jp/aj02/documents/100123_20220801134432-1.pdf]資料4:これまでの委員からの質問への回答(第3回分科会時の質問)(PDF:4,174KB)
23ページに守田委員の質問に対して九州電力の回答が示されています。
2. 回答
○ 2019年12月のCNO意見交換会にて、ATENAから設計古さに対する取組方針を
説明。
取組方針:基準適合を前提として、今後の安全な長期運転に向けて、経年により生じる設計の古さを特定し、継続的に安全設計の改善を展開するための仕組
みを新たに構築する。
○ 新規制基準に適合したプラントを対象に、新旧プラント設計の違いに着目した安全性の評価を、事業者の自主的取組みとして導入することとし、2020年9月にATENAから「設計の経年化評価ガイドライン」が発刊。
○ 今後は当該ガイドラインを基に、各プラントの評価を実施していく。」
九州電力は、自社のみでは「設計の経年劣化問題」の扱いは無理と考えたようで、ATENAの「設計の経年化評価ガイドライン」に頼るとしています。
しかし、ATENAの「設計の経年化評価ガイドライン」では、扱いは「新規制基準に適合したプラントを対象に、新旧プラント設計の違いに着目した安全性の評価を、事業者の自主的取組みとして導入することとし・・」とし、アメリカのAP-1000や欧州加圧水型原子炉EPR、ロシアのVVER-1000等の新型のメルトダウン対策炉は比較の対象とはしないと説明されています。
これでは、ATENAの「設計の経年化評価ガイドライン」は意味が無いと思われます。
(第4434日目☆原発止めよう!九電本店前ひろば★より)