米陸軍長官、「多領域部隊」日本配備に期待感 中距離ミサイルも 北米 毎日新聞 2023/6/7 11:09(最終更新 6/8 06:33)
杉野です。
米陸軍長官、「多領域部隊」日本配備に期待感 中距離ミサイルも
北米
毎日新聞 2023/6/7 11:09(最終更新 6/8 06:33)
米国のウォーマス陸軍長官は6日の記者会見で、地上発射型の中距離ミサイルやサイバー・宇宙領域の作戦能力などを兼ね備えた「マルチドメイン・タスクフォース(MDTF=多領域任務部隊)」の日本配備について「理論上は非常に有用だ。(沖縄県に2025年までに配備される)米海兵沿岸連隊を補完できる」と期待感を表した。実際の配備には日本政府の受け入れ同意や拠点整備などのハードルがあるが、米陸軍では中国に対する抑止力強化のためにMDTFの日本配備を求める声が上がっている。
ウォーマス氏は会見で「MDTFは、サイバーや宇宙領域での作戦や情報戦の能力、長射程の火力を備えている。理論上は、日本やオーストラリアにMDTFが駐留することは非常に有用だ」と指摘した。また「日本とは非常に強固な同盟関係にあり、MDTFの能力についても日本側に話をしている。恒常的な駐留の可否を判断する前に、さらに議論していく必要がある」と指摘。実際の配備に関しては「受け入れ国がMDTFの駐留が合理的だと判断するかどうかだ」と述べた。
MDTFは、米陸軍を現代戦に適応させるために17年に創設された新たな部隊だ。地上発射型ミサイルや防空、後方支援など既存の能力に加えて、サイバーや宇宙、電子戦領域を含めた総合的な作戦能力を持つ。米西部ワシントン州とハワイ州、ドイツに三つの部隊があり、28年までにさらに2部隊が追加される。米陸軍は「世界的な需要を考慮し、配備地を決める」としている。
将来的には、地上発射型の長距離極超音速ミサイル(LRHW、射程2700キロ以上)や地対地誘導ミサイル「PrSM(プリズム)」(射程500キロ以上)、両ミサイルの中間の射程を持つ地上発射型の「トマホーク」ミサイルが部隊に配備される予定で、日本に配備されれば中国沿岸部を射程に収めることになる。ワシントン州のMDTFは、LRHWの先行運用を始めている。【ワシントン秋山信一】