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基金案受け入れは、有明海再生への道を閉ざします

2016.12.27(14:32) 4913

有明海漁民・市民ネットワーク

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年明けに発行する漁民ネット通信の原稿にもなっている解説文をアップします。
国は、なりふり構わぬ行動で漁業団体を騙し、基金案受け入れに奔走しています。有明海再生が実現できるか否かの瀬戸際の攻防戦が続いています。漁業団体が農水省の基金案を受け入れないよう、是非この解説文を周りの有明海漁民に広めてください。

●解説文
http://www.ariake-gyomin.net/info/161224kikinan.pdf

基金案受け入れは、有明海再生への道を閉ざします
1.農水省の基金案受け入れは、開門しないことを認めること
諫早湾潮受け堤防排水門の開放をめぐる裁判の和解協議で、農水省は10年間で総額100億 円の対策費を拠出する基金案を示しました。しかし、この基金案は「開門しないことを前提」と するものであり、基金案を受け入れるということは開門 を諦めるということです。 「漁連や漁協は 裁判の当事者ではないので開門の旗を降ろす必要はない」という声を耳にしますが、それは違い ます。「開門しないことを前提とする」基金案を受け入れるのですから、訴訟当事者に限らず開門 しないことを受け入れることになります。
2.開門なくして有明海再生はありません
平成17年から平成26年までの10年間に約430億円の公金が開門に代わる有明海再生事業と
して投じられてきましたが、有明海再生の展望は開けていません。特に、漁船漁業の被害は深刻を極
めています。それはなぜかと言えば、根本原因に対する対策ではないからです。有明海再生のために
は、調整池からの汚濁水の排出と諫早湾閉め切りによる潮流特性の変化、それに伴う大規模赤潮の頻
発や貧酸素水塊の発生というメカニズムを変えなければなりません。それには開門が不可欠です。調
整池に海水を導入することによって、汚濁が止まり、干潟が戻り、さらに一定の潮流の回復も影響し
て、諫早湾と有明海の環境が回復することが、短期開門調査の実績からも大きく期待できます。

100億円の基金案も従来の対症療法的な事業の延長であることから、根本的な解決策にならない
ことは明らかです。基金案を受け入れることは、有明海再生の道を閉ざし、海を売ることに他なりま
せん。地域社会を支える財産である有明海、次世代に受け渡すべき有明海を売り渡して良いはずがあ
りません。
(図は、イサハヤ湾開門研究者会議 編:「諫早湾の水門開放から有明海の再生へ」より ※閉め切り後、諫早湾表層の赤潮が顕著となり、栄養塩(ノリ作りに必要な無機態窒素)が減少 →この水が対岸の福岡、熊本にも流れ、ノリ不作を招いています。
3.漁業団体の基金受け入れで、開門が事実上困難になります
「どうせ原告漁民の反対で基金案による和解は成立しないのだから、ここで国と対立するよりも基
金案を受け入れる方が再生事業の予算獲得に有利」という声も耳にします。しかし、農水大臣は、「基
金案を受け入れないからと言って、再生事業の予算を削減することはしない」と国会で答弁していま
す。つまり、基金案を拒否することで漁業団体が被るリスクはありません。一方、漁業団体が基金案
を受け入れることで開門は事実上困難になります。基金案が開門しないことを前提としているからで
す。
「いつ実現するかも分からない開門より、基金案を受け入れる方が現実的」との考えも間違いです。
漁業団体が基金案を受け入れることで、原告漁民を孤立させてしまいます。漁業団体の支えなくして
開門は実現できません。しかし、漁業団体が基金案を拒否することで、国の基金案に基づく和解協議
は頓挫し、開門を含めた協議へと道が拓けます。「新和解案が出れば訴訟指揮に従う」と農水大臣も国
会で答弁しており、開門に向けて大きく前進します。
「基金も開門も必要だが有明海再生を急ぐべき」との立場から基金案を容認するのも間違いです。
有明海再生に不可欠な開門が遠ざかることで、いっそう有明海再生が困難になります。「開門しない
ことを前提」としている以上、有明海再生を急ぐためにも農水省の基金案を受け入れてはなりません。
「基金か開門か」の択一ではなく、どちらの実現にとっても国の基金案を拒否することが重要なの
です。国は、漁業団体が従来から求めていた「使い勝手の良い基金」を逆手にとって、開門しないこ
とを前提とする基金案を提示してきているわけですが、本来基金は開門問題とは切り離した形で受け
るべきものです。有明海再生は国の責務なのですから、開門とは無関係に漁業団体が求める基金を実
現する責務があります。開門を人質にした国のえげつない戦略に屈することなく、堂々と開門と基金
を要求することが肝要です。
4.農水省の詐欺的手法に騙されてはなりません
国は、かつて、諫早湾干拓事業の工事認可を得るために「干拓事業の影響は許容範囲に止まる」と
する説明を行って漁民を騙してきました。ノリの大不作(2000年)が起こった後も、中長期開門
調査に代わる再生事業を行うことで再生は叶うと騙してきました。今また、「基金案は開門とは別」
と漁業団体に嘘の説明を行っているようですが、もう騙されてはなりません。農水省は、沿岸4県や
各漁業団体に対しては「あくまで和解が成立した後、基金の管理運営を担う立場であり、開門の旗を
降ろす必要はない」と説明する一方で、和解協議の席では漁業者団体の「受け入れ」の結果のみをか
すめ取って、「開門の旗を降ろす」和解の成立の材料にするという詐欺的な汚い手を使っているので
す。
しかし、国の必死な説明は、国が追い詰められている証拠でもあります。今まさに、根本的な有明
海再生に大きく前進するか、有明海再生を諦めるかの分岐点にあります。開門に代わる基金案を拒否
して、原告漁民を支えることが何より重要です。
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