修の呟き

<TROIの2007年論文について>

【報告】第2235日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
★ 中西正之 さんから:
<TROIの2007年論文について>

TROIの実験は、韓国の原子力研究所で継続的に行われているが、この実験はOECD
(経済協力開発機構)のSERENAプロジェクトの主要な実験の1つで有り、他にフ
ランスで行われたKROTOSの実験と連帯して行われてきた。2007年からはSERENA2
のプロジェクトへと延長されているが、TROIの2007年論文はSERENAプロジェクト
の実験報告である。
 そして、TROIの実験と、KROTOSの実験結果を基にして、日本を始め世界各国で、
水蒸気爆発シミュレーションプログラムが開発されている。
 したがって、原発の格納容器内で水蒸気爆発が起きた場合、格納容器がその爆
発に耐えきれるかどうかの強度計算は多くのものが、TROIの実験とKROTOSの実験
をもとにして行われているので、TROIの実験とKROTOSの実験は重要な実験と思わ
れる。
 TROIの2007年論文で新しく報告された実験は、これまでの実験よりも融点の高
い(80w%UO2 + 20w%ZrO2)の疑似デブリを取り扱った事と、実験にトリガーを
使用した事である。
実験は、TROI-34、TROI-35、TROI-36、TROI-37が報告されている。
TROI-37は(80w%UO2 + 19w%ZrO2+1w%Zr)の疑似デブリを使用している。
 この論文では、『TROI実験の重要な発見は、自発的な蒸気爆発の発生がコリウ
ム層の組成に関連していることであった。70:30wt%(U02:ZrO2)の共晶質コリ
ウム層と純粋なジルコニアは、自発的な蒸気爆発であったが、他の組成のコリウ
ムはそうではなかった。
しかし、重大事故時には外部トリガーが可能であるため、外部トリガーをかけて
蒸気爆発試験を行う必要があります。』と説明されており、実炉の重大事故時に
は外部トリガーはありうるので、外部トリガーを使用した試験を行ったと説明さ
れている。
トリガーを与えた試験では、(70w%UO2 + 30w%ZrO2)の疑似デブリの実験より
も、(80w%UO2 + 20w%ZrO2)の疑似デブリを使用して実験の方が水蒸気爆発の
発生圧力は小さくなっている。
 この報告では、どうしてUO2の含有量が10%増えて、ZrO2の含有量が10%減ると
水蒸気爆発が起こりにくく成るのかの解析は行われていない様に思われる。また、
UO2とZrO2の二成分系状態図による考察も行われていないようです。
 この実験では、やはり試験温度の推定に疑問を持って、実験中に融点が3422°
Cのタングステン棒を溶融デブリに差し込んで、タングステン棒の温度を2色温
度計で測定しているが、この方法では温度測定はうまくできなかったようである。
また、『温度測定はまた、高温計と溶融物との間に取り付けられた覗き窓の影響
を受ける。
したがって、パイロメータは実験後に較正された。
高温計がガラス窓のために実際の温度よりはるかに高い温度を示したことが示さ
れた。
ガラスの分光透過率は波長に大きく依存し、2色の高温計が歪んだ。窓ガラスを
通した測定温度(Tm)は、1500〜2700℃の範囲で較正した。』と説明され
ている。筆者は2色の高温計は使用した経験が無いが、輻射高温計の使用経験で
は、のぞき窓のガラスの種類によって、測定温度に大きな誤差が出るから、試験
前に使用ガラスの必要な補正量を検定しておかないと、正確な温度の測定はでき
ないと思われる。
 それから、製錬時の溶融金属や原発のデブリが水蒸気爆発を起こすのは、溶融
金属やデブリがそれらの融点よりもある程度高い温度まで加熱されており、水中
に落下した時水中で直ちには固化せずに粒子化し、廻りを水蒸気膜で包まれて、
内部で液状の状態を維持している時と思われる。
 したがって、模擬デブリの正確な温度推定は極めて重要である。
TROI-34の溶解温度は(70w%UO2 + 30w%ZrO2+1w%Zr)の疑似デブリ測定温度が
3670K(3397℃)、補正温度が3343K(3070℃)とされているのに、試験後の水冷
るつぼ内は未溶解の疑似デブリが大量に残っており、模擬デブリが充分な温度ま
で加熱されているのかどうか疑問が残ります。
 これらの問題は、SERENA2のプロジェクトではかなり改善されているようです。

スポンサーサイト
  1. 2017/06/02(金) 20:24:06|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<*関電、原発の安全対策を説明 滋賀県原子力連絡協 | ホーム | 2017年6月1日(木)地震と原発事故情報-6つの情報をお知らせします>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://osariki.blog.fc2.com/tb.php/8124-a7de5e65
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

平和な有明海

Author:平和な有明海
修の呟きにようこそ!
佐賀市在住です。平和や障がい者、有明海問題に強い関心を持っています。1950年生まれ。戦争法廃止、原発廃止、有明海再生、障害者と共生できる社会づくりを目指します。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (7591)

ようこそ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる