修の呟き

東芝の比じゃない「ウエスティングハウス法的整理」の世界的影響 米当局が出した深刻なレポートの中身とは

杉野です。

長いので後半4から焼き付けています。

前半はクリックすると読めます。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170602-00051887-gendaibiz-bus_all&p=1
東芝の比じゃない「ウエスティングハウス法的整理」の世界的影響 米当局が出した深刻なレポートの中身とは
6/2(金) 11:01配信

(4) 頼みの海外事業も前途多難
 現在の世界の原子炉建設需要は非常に大きい。原子力産業の国際的業界団体であるワールド・ニュークリア・アソシエーションの調査(2017年5月)では世界48カ国で447基の原子炉が稼働し、59基が建設中、建設計画は170基、提案されている案件は372基である。特に建設が集中しているのがアジア太平洋諸国と東欧、中東である。

 中国では稼働中が36基、建設中が21基、計画中が41基と、圧倒的に多い。インドは稼働中が22基、建設中が5基、計画中が20基とこれも多い。アメリカは稼働中が99基と多いが、建設中は4基に留まっている。計画中は16基ある。

 原子力発電の依存度が高いフランスでは稼働中が58基、建設中が1基、計画中はない。イギリスは稼働中が15基、建設中はないが、計画中は11基である。ちなみにお隣の韓国の場合、稼働中は25基、建設中が3基、計画中が8基である。

 2014年から19年の間、世界の原子炉建設市場規模の成長率は5.22%になるとみている。福島の原発事故以来、原子炉建設に歯止めがかかった感があるが、それでもこの市場は魅力的な成長市場であることに変わりはない。

 その中でウエスティングハウスの占める地位は高い。既述のように、アメリカの稼働中の原子炉の半分は同社が建設したものである。ウエスティングハウスは中国、イギリス、インドでの原子炉建設に携わっておる。ウエスティングハウスの最大の顧客で、最大の成長市場は中国である。中国では、同社設計の最新鋭の原子炉、AP1000型4基の建設を受注している。

 ウエスティングハウスは「破産法申請はアメリカ国内の事業のみに適用されるもので、中国での原子炉建設工事に影響を与えない」と繰り返し主張している。また、破産法申請の数時間後に、同社は中国政府の担当者と電話会談を行い、工事継続を確約している。

 しかし、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月30日)によれば、AP1000型原子炉の建設費用はすでに予算を数十億ドル上回っており、必ずしも楽観できる状況ではない。

 ウエスティングハウスはインドでも原子炉6基の建設を受注している。ただ、インドの場合、原子炉を売却する契約で、建設工事は請け負っていない。したがって、アメリカ国内のように経費が増えた分を同社が負担する必要はない。

 破産申請後、同社の経営幹部はインドに飛び、インド原子力発電公社(NPCIL)の幹部と会談を行っている。2017年半ばまでにインドで原子炉を建設することはオバマ前政権が決めた国家間の約束である。しかし、これも予定通りに完成する見込みはない。

 ウエスティングハウスが原子炉建設業務から撤退するとの推測や、子会社を売却するとの報道もあり、同社の動向がこうした国の原子炉建設に留まらず、世界の原子炉建設市場に大きな影響を及ぼす可能性がある。

技術覇権をめぐる米中確執の火種に
 トランプ政権にとって、ウエスティングハウスの破産申請がもたらす直接的な影響は、CRSが指摘するように83億ドルの連邦政府の融資がどうなるかである。もし建設が中止されれば、電力会社は融資を返済しなければならない。エネルギー省の担当者は「関係者が約束を遵守し、納税者を守るために合意に達することを期待する」との声明を出している。

 それだけでは済まない。SCANA社のスティーブン・バーン最高経営責任者はトランプ政権の担当者と会談した後、「アメリカ政府はウエスティングハウスが売却されることを懸念している」と、会談の感触を語っている。『ニューヨーク・タイムズ』(4月7日)も、「トランプ政権は東芝が売却を決めたウエスティングハウスを中国の投資家が買収することを懸念している」と報じている。

 すなわち、最新の原子力発電の技術が中国の手に渡ることになる可能性が生じているのだ。現在、先進国での原子炉建設は低迷しているが、途上国では依然として旺盛な需要がある。中国が最新の技術を手に入れれば、世界のエネルギー政策で中国が圧倒的な影響力を持つことになることも、トランプ政権が中国の動きを牽制する理由である。安全保障上の問題も、より大きな懸念材料であるのは間違いない。

 外国企業がアメリカ企業を買収する場合、外国投資委員会の承認が必要となる。大統領が安全保障上の問題があると判断した場合、買収を阻止することができる。一方、中国企業が何年も前から原子炉建設会社を物色していたという情報もある。

 リック・ペリー・エネルギー省長官とスティーブン・ムニューチン財務長官は、中国のウエスティングハウス買収に関する議論を行った。そしてトランプ政権は3つの選択肢を検討していると伝えられている。まず、大統領権限で阻止すること。もうひとつは、国内企業あるいは友好的な外国企業に買収を説得すること。3つ目は、オバマ政権がGMを救済した時のように一時的の国有化する案である。

東芝一社でどうこうなるレベルではない
 日本ではウエスティングハウスの破産法申請は、東芝の存亡の観点から議論されることが多いが、この問題はもはや国家レベルの利害が絡み合い、複雑な方程式になっており、簡単には解が出る性質のものではなくなっている。

 東芝は将来の損失や負担の確定ができないため、前年度の決算をまともに行うことすらできていない。そのことが日本国内で東芝の経営に対する不安と非難の原因となっている。

 しかし、その確定のためには、ウエスティングハウスのアメリカ国内のみならず世界各国で工期遅れ、建設コスト予算超過を起こしている事業を、各国の政治リスク、訴訟リスクを勘案したうえで、着地させるという作業が先に必要となる。

 それゆえ、今後、まだまだ膨大な時間がかかり、東芝の経営問題のみならず、世界の原子力政策にも大きな波乱が予想されるのである。
中岡 望
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  1. 2017/06/03(土) 11:52:19|
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佐賀市在住です。平和や障がい者、有明海問題に強い関心を持っています。1950年生まれ。戦争法廃止、原発廃止、有明海再生、障害者と共生できる社会づくりを目指します。

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