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□■「ねじれ解消が最大の争点」の欺瞞(2)

2013.07.20(16:10) 904


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      ┃Y・記・者・の・「・ニ・ュ・ー・ス・の・検・証・」┃
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□■「ねじれ解消が最大の争点」の欺瞞(2)
  ──自民独走を許せば、ツケは破壊的に膨れ上がる

 参院選の中盤から終盤に差し掛かる状況を、まず数字でみておこう。

 共同通信社が13、14両日に実施した全国電話世論調査によると、比例代表の投
票先は、自民30・6%、民主7・4%、公明7%、維新4・9%、共産党3・8
%、みんな3・3%、生活1・5%、社民0・7%、みどり0・2%だった。ただ
し、「まだ決めていない」34・3%で、「情勢が変化する可能性」を指摘してい
る。この記事は15日に配信された。

 投票先を決める際に重視する課題としては、「景気や雇用など経済政策」35・1
%、「年金や医療など社会保障制度」26・6%、「消費税増税の是非」9・7%、
「原発再稼働の是非」6・8%の順だった。

 また14、15日実施のANN世論調査(テレビ朝日系列)によると、政党支持率
は、自民42・8%、民主10・6%.公明4・1%、みんな4・7%、生活0・6
%、共産5・5%、社民1・0%、みどり0・0%だった。

 テレビ朝日は、「参議院選挙の投開票日まで、あと5日になりました。これまで6
割前後をキープしてきた安倍内閣の支持率が、今回、46.4%と政権発足以来、初
めて5割を下回りました」と伝えた。

 「アベノミクスへの期待感に陰りが出てきているためとみられます」として、その
理由を「政権発足から半年以上がたったものの、景気回復への実感がない」と答えた
人が7割以上に上ることから、アベノミクスへの期待感が落ちてきているとみられま
す」と付け加えた。

 参議院選挙で重視する政策については、景気対策31%、年金社会保障19%、原
発11%、震災復興9%などの順。なお、原発関連では、原子力安全委員会の安全基
準に合格した「原発の再稼働」については、支持しない45%、支持する36%。今
後の原発政策については、「原発ゼロ」46%、「安全性高めて継続」41%。

 また、共同通信社が14~16日に実施した第23回参院選の終盤情勢調査では、
政党支持率は自民34・5%と、4、5両日の序盤情勢調査から5・4ポイント下落
した。続いて民主9・5%、公明5・1%、維新3・9%、みんな3・4%、共産
3・4、社民1・0%、生活0・7%、みどり0・3%、新党改革0・1%となって
いる。支持政党なしは29・2%(序盤情勢調査から6・6ポイント増)。
 自民支持層の75・7%が、比例代表で自民党に投票すると回答している。

 上記、最初の二つの調査を見ても、投票行動では、以下のようなテーマが重視され
るものと思われる。

1 「景気や雇用など経済政策」
2 「年金や医療など社会保障制度」
3 「原発再稼働の是非」
4 「震災復興」
5 「消費税増税の是非」

 雇用については、安倍政権は「限定社員制度」の促進に顕著なように、不安定就労
の形態を増やし、正社員の削減を推し進めている。ブラック企業の告発も相次いでい
る。小泉自公政権が進めた「弱肉強食」路線は破綻し、自公政権は退場へと追い込ま
れたが、安倍政権はそれにブレーキをかけるのではなく、それをさらに強化しようと
している。安倍政権には、崩壊しつつある日本社会の抜本改革、日本社会の再構築な
ど到底無理であることは、すでに明白である。

 景気については、いわゆるアベノミクスに象徴されるわけだが、「景気回復への実
感がない」「アベノミクスへの期待感に陰り」の報道ですでにその乱暴さが白日の下
にさらされつつあるが、依然、その浸透は遅れているのかもしれない。

 景気面では、神奈川新聞が14日から16日に実施した世論調査がある。
 アベノミクスを「評価する」は18・1%、「どちらかといえば評価する」は43
・7%。「どちらかといえば評価しない」16・4%、「評価しない」14・1%。
「分からない・無回答」は7・6%。積極的な肯定評価が18・1%、積極的な否定
評価が14・1%ということだけみても、依然、肯定評価が否定評価を上回っている
ようだ。

 この調査では、肯定的な受け止め(おそらく「評価する」「どちらかといえば評価
する」の合算と思われる)は20代73・2%、30代63・5%、40代66・8
%、70代以上でも53・1%を占めたという。

 一方、商工自営業の評価は、43・7%とやや低かったとしている。職業別でも全
般的に肯定的な受け止めだったことから、記事は、「経済政策の恩恵が行き渡るのに
時間がかかるとされ、中小経営者らの慎重な姿勢がうかがえる」としている。

 この調査では、<「評価する」「どちらかといえば評価する」を合わせた肯定的な
受け止めは、61・8%に上った>としていることから、一般的な期待や感覚をベー
スとした評価と、商工自営業などの確固たる売り上げや販売、利益などの数値を基礎
とした評価とが混同して出ている。

 また、この調査では、「評価しない」とした人の投票先は選挙区、比例代表ともに
「共産党」との回答が最も多かった。「評価しない」と回答した人の比例代表の投票
先は共産党が18・5%でトップ。次いでみんなの党13・8%、民主党8・4%と
続く。神奈川選挙区の投票先は、共産党元職が2割強でトップ、みんなの党新人が1
割強だった。その他の候補者は1桁以下にとどまった、という。

 現状は、この調査が示すように、期待と実感、実態が入り混じったところにあると
いえるのだろう。大事なところにここまで迫りながら、もう少し突っ込んだ取材や分
析があればと思う。そうすれば、「経済政策の恩恵が行き渡るのに時間がかかるとさ
れ、中小経営者らの慎重な姿勢がうかがえる」との見方は、もう少し違うものになっ
ていたかもしれない。

 アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦
略を掲げた。その第一とした金融緩和政策は、円安・株高を反応として引き出し、景
況感の好転と年度末の企業の決算数値の改善に一時的に寄与した。

 しかし、消費増税を見せ金に後代に膨大なツケを残しながら、一時的な景気刺激策
にとどまり、内需喚起につなげる政策のミックスを欠く。円安による輸入品価格の高
騰、国債の暴落と長期金利上昇のリスク、財政再建の遅れと消費増税圧力の増大など
によって、日本経済の構造を負のループへと陥らせる危険を秘めている。

 この点に、さらに次のロイター企業調査をかぶせて、検討を深めておきたい。

★ロイター企業調査
 「自民単独過半数かつ改憲勢力で3分の2以上」への期待は10%どまり

 ロイター通信が19日発表した企業調査(実施期間:7月1日から12日まで、対
象は400社、回答社数は260社程度)によると、アベノミクスの短期景気浮揚効
果への評価として「かなり大きい」46%、「あまり大きくない」51%だった(1
月調査とほぼ変わらず)。

 「消費マインドへの効果は予想以上だったが、投資マインドはあまり改善されてお
らず、当初の印象と大きく変わらない」(電機)とする指摘。「あくまで短期の政
策。実体が伴わないとむしろマイナスになる危険がある」(卸売)との見方もある。

 <アベノミクスについては、短期的景気浮揚効果も副作用も限定的とみており、政
権発足時と比較して、失望もなく予想以上の成果も伺えない。ただ、日本の財政が欧
州のような危機に3─5年以内に陥るとの見方が大幅に増え、財政への懸念が強まっ
ている>というのである。

 調査では、日本の財政状態が欧州のような危機を招く恐れがあるとすればいつごろ
かも聞いている。「3─5年以内」37%(1月調査=25%)、「10年以内」
68%(1月調査=57%)と、危惧する見方が大幅に増大している。この点も留意
しておく必要がある。

 企業人のなかでは、アベノミクスは、あくまで短期の政策と割り切った見方がかな
りはっきり存在しており、その短期の効果のほども「あまり大きくない」51%とい
う冷静な受け止めがなされていることがわかる。

 さらに、また、アベノミクスの「副作用」については、中長期的な副作用について
「あまり大きくない」との回答が61%(1月の62%とほぼ変わらず)だったが、
一方で、日本の財政状態が欧州のような危機を招く恐れがあるとすればいつごろか聞
いたところ、3─5年以内との回答が37%、1月調査の25%から大幅に増加、
10年以内の発生を予想する回答は1月の57%から68%に増えた、としている。

 アベノミクスは、短期的景気浮揚効果も副作用も限定的で、政権発足時と比較し
て、失望もなく予想以上の成果も伺えないが、ただ、日本の財政が欧州のような危機
に3─5年以内に陥るとの見方が大幅に増え、財政への懸念が強まっている、とまと
められるわけだ。

 この調査は、来る参院選挙で期待する結果についても尋ねている。
 企業の立場からは、<「自民・公明で過半数」が望ましい>が回答企業の46%で
トップを占め、「自民単独過半数」は31%にとどまっている。

 その理由については、「自民・公明で過半数」との回答が最多だったのは、「自民
単独過半数では牽制機能が働くなる恐れがある」(化学)との懸念からで、「アジア
強硬外交」や「改憲議論」への抑制役として、公明党への期待感を挙げる声が多かっ
たという。

 これは、「自民過半数割れで第1党」との回答でも、同様の「牽制の必要性」を挙
げる企業が多いという。「自民単独過半数」への期待を回答した企業では、「長期的
視野にたった安定的な経済運営」(輸送用機械)を期待しているようだ。

 また、「自民単独過半数かつ改憲勢力で3分の2以上」との回答は、10%どまり
だった。その理由は、「改憲までは行き過ぎであり、もっと議論が必要」(非鉄金
属)などで、敬遠されている。これは、「自民・公明で過半数」が望ましいとした回
答で、「アジア強硬外交」や「改憲議論」への突進を警戒する姿勢と共通する。

 企業人にとって、アベノミクスは、短期的景気浮揚効果も副作用も限定的で、読み
込み済み。それよりも、安倍政権の「アジア強硬外交」や「改憲」路線へ突進が要警
戒で事項であり、そうすれば日本の政治の安定感は失われるとみていることがわか
る。「自民単独過半数かつ改憲勢力で3分の2以上」への期待は10%どまりで、か
つ「自民単独過半数」は31%を占めるに過ぎないことも、しっかりおさえておく必
要があろう。

 アベノミクスの「金融緩和政策」は短期しか見込めず、「財政政策」では福祉の削
減と増税・負担増を国民に迫り、一方で公共事業などにばら撒きの可能性、「成長戦
略」には具体性が伴わず、労働者の保護基盤をさらに脆弱にする可能性もある、など
の見方が存在することについての予備知識があれば、神奈川新聞が行った世論調査の
分析では、アベノミクスを評価する回答と、商工自営業などが示した厳しい見方の相
違・乖離について、深く迫る必要に気づけたかもしれないと思う。

 さまざまな制約があるなか、せっかくいいところまで迫りながら、それを生かし切
れなかったように感じられて残念でならない。それにしても、アベノミクスへの企業
人の醒めた見方と、「評価する」の声のあまりの乖離、溝の深さはいったいどこから
発生しているのだろうか。

 マスメディアの手放しの煽り、検証の甘さ、批判の弱さについては、いまだに、言
い逃れのできない状況にあるのではないか。

★「白紙委任状」を渡してしまえば、ツケは払いきれないほど高額に

 続いて、参院選の投票日が迫る中、海外は安倍政権をどうみているのか。「HUF
FPOST」が17日付で<安倍政権の課題を海外メディアが指摘>の記事にまとめ
ている。そこからポイントだけ拾い上げてみる。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、TPPについて安倍氏が「自民党は、TPPに参
加はしても、食糧が国の要であることは熟知している。食は必ず守る。安心してほし
い─-」との演説などに着目。

・米議会の承認手続きが必要なため、初参加の日本はTPP交渉の場に、23日から
の合流となる。関税関連の交渉には参加できず、知的財産権などが俎上に上がる会議
のみへの参加となる。

・安倍首相の選挙演説は、いかにも、「700%」の関税がかかる米を含め、現状維
持を確約するかのようだが、もともと関税の関税撤廃と自由貿易を標榜するTPPに
おいて、農業に「強い」米、豪などの各国が手つかずの聖域を守るとは考えにくいと
されている

・安倍首相は「守る」というが、「どうやって」には触れない。その論調からすれ
ば、しょせん、補助金頼りになりかねない。

 続いてブルームバーグ。日本通のコラムニスト、ウィリアム・ペセック氏は、「外
国人が日本国内から見た日本」を掲載、年金問題、高齢化社会、世界最大規模の借
金、急上昇するエネルギー価格、アメリカとの基地問題─日本が抱える問題は山積み
だとして、にもかかわらず「不安の声はなぜ上がらないのか。自民党の圧勝が既成事
実視されるのはなぜなのか?」「TPP参加表明によって、一種、切り捨てられた観
のあるこの人々はなぜ、その力を行使しないのか」

 これについて同氏は、20年に及ぶ経済低迷や貧困と失業者の蔓延であきらめムー
ドが漂い、リーダーがころころと変わることに嫌気がさしているに因を見出している
が、しかし、それでも、安倍氏になんでも思いのままにできるほどの「白紙委任状」
を渡してしまえば、そのツケは払いきれないほどの高額になるかもしれない。バラン
スを見極めて、選挙権を行使すべきだ、と提言している。

 さらに、ロイターが、自民の圧勝を予測しつつ、それがかえって安倍氏の仇となる
との見方を分析記事で示していることも紹介している。
 ロイターは、「本当に日本に必要なのは徹底的な改革だが、それを断行する度胸も
ビジョンも安倍にはなく、しょせん、大風呂敷を広げているに過ぎない」との識者の
談を紹介、種々の思い切った手を打たなければならないときだが、安倍氏は安定志
向、懐柔型で首相の持つ権力を活かした断行はできないとの見方を示している。

・皮肉にも「圧勝」こそが、安倍氏の「改革」足かせとなる可能性があるという。選
挙のために「国益優先」の姿勢を守っている候補者たちも、ひとたび当選すれば、次
の参院選、つまり2016年まで身分を保障される。そうなれば、それぞれの支持基
盤の「既得権益」を守ろうとし、総理に「物申す」可能性が高い。

・安倍氏にとって「悲願」である憲法改正にも通じる。同盟を組む公明党は改憲には
及び腰であり、国民の直接投票にかける要件である、議員の3分の2の票が集まるか
は怪しい。中国・韓国との関係を悪化させるにちがいない「アキレス健」、靖国参拝
についても同じで、結局、参拝を期待する支持者と、隣国との関係悪化を恐れるそれ
以外との板挟みに苦しんでどちらつかずになりかねない。

 以上、「HUFFPOST」のまとめをさらに要約したので、ぜひ、全文をお読み
になることをおすすめしておく。

★「大勢」が熟慮や議論や検討よりも前に形成され、権威づけられ補強される危険

 以上、いくつかの世論調査などについて、ざっとみてきたが、景気・賃金の浮揚、
社会保障制度の安定・拡充、原発再稼働なし・原発ゼロの実現、震災復興の速やかな
進行、消費増税の安易な実行反対など、民意の強さが伺える事項について、安倍政権
は消極的ないし、まっこうから対立する姿勢を示している。

 「政治の安定」を求める民意が高まって、それが自民党への高い支持につながりそ
うだという傾向もみえてきたが、そこには大きな落とし穴がある。安倍政権は参院選
にあたって「国会のねじれ解消が最大の争点」のようにいっているが、「最大の争
点」は、選挙民の要請・要求と、かろうじて政権についたあとの自民党の政策、今回
の公約とのねじれである。そこには昨年末の総選挙時に自民党が掲げた公約と、政権
に就いてからの政策転換(公約破り)も含まれる。

 「政治の安定」を求める声が高まっているいまだからこそ、この自民党自身の野党
時と与党になってからの転身・ねじれ、政権と民意の大幅な乖離こそが、いまの日本
社会にとって最大の課題になっていることを、政党もマスメディアは隠してはならな
い。

 マスメディアが垂れ流した誤謬──「衆参のねじれは、今度の参院選で解消できる
のか」は、「ねじれはないほうがよい」というゆがんだメッセージを発信している。
そこにはまた、誰が担うどのような政権であれ、「安定政権をつくることが、国内的
にも国際的にも必要なことだ」という短絡したメッセージが内包されてる。

 それは、いわれもなく不当に、ただ資本の論理によって断崖絶壁に立たされ、不安
と失望のなかで孤軍奮闘を余儀なくされている数多くの、広範な年代に広がる人々の
苦しみを代弁しているわけではない。

 公示とともに流された自民の「圧倒的勝利」を伝える選挙予測報道、そしてそれと
並行して流される政権の動きや政党などの動き。そこにどれだけ、いま私たち国民
が、公権力をゆだねる人物を選択するために、必要な報道や論評を行うという姿勢を
見出せただろうか。

 いま私たちが直面する危機を、率直に伝え、解決へと向かう道を探ったり指し示し
たりする番組や記事は、こぞってネットワークを介して広く拡散され共有もされた。
しかしながら、テレビはエンタテイメントと事件報道が主流を占め、いま必要なテー
マをいま必要だということを気づかせてくれる番組はそのなかのほんの一握りにとど
まる。新聞も大手紙ほど、いま欠かしてはならないこと、繰り返し伝えねばならない
ことを伝える努力を欠き、日常の紙面構成の枠を外すことなく推移してきた。

 昨年末の総選挙でかろうじて政権に復帰した自民党は、民主党政権が空中分解して
ゆく過程につけこみ、後代に膨大なツケを残すその場しのぎの金融緩和と景気刺激策
で人心をひきつける策を採用した。

 マスメディアの多くは、その政策に期待される効果やリスクについて、冷静に整理
し提示する姿勢を欠き、アベノミクスの喧伝に手を貸し、復帰した安倍政権の検証を
ないがしろにしてきた。5月以降に顕著に現れた円と株の乱高下に際しても、政権の
アナウンスを鵜呑みにして、それを右から左に垂れ流すのが精一杯だった。

 経済・福祉政策でも外交政策でも、弱肉強食の新自由主義に毒され、無策無能、乱
暴極まりない政治を行った自公政権に業を煮やし、彼らを政権から引き摺り下ろした
民意を、政権交代可能な日本づくりという古びた表面的な理屈のなかに纏め上げよう
としたマスメディアの上滑りは、そのまま民主党政権の時代にも引き継がれ、民主党
もそのまま上滑った政治で自己崩壊のプロセスをたどった。

 マスメディアは民主党政権の歴史的役割と功罪について深く掘り下げることなく、
時代の検証を怠ったまま、大規模金融緩和による円安・株高誘導という目先の短期
的、その場しのぎの政策でしかないアベノミクスを、時代の閉塞を打ち破る大事業で
もあるかのように持ち上げた。

 その化けの皮がはがれた5月下旬になっても、マスメディアからは、その「大胆な
金融政策」の限界とリスクを論じ、安倍政権のいう「財政政策」「成長戦略」の中身
のほどを検証し警鐘を鳴らす姿勢は、本流として出てくることはなかった。そして、
参院選が迫るなかでも、そのまま「ねじれはないほうがよい」「安定政権をつくるこ
とが、国内的にも国際的にも必要」という安倍政権の独りよがりを、そのまま根拠不
明、時代認識不明のまま垂れ流した。二大政党論に象徴されるメディアの貧困は、政
治を、政党と政党の力のゲームと矮小化した風潮へと引き継がれ、そのまま今回の参
院選へと突入してきたのだ。

 原発の問題、大量失業と貧困・格差の蔓延の問題、年金・福祉制度の再構築の問
題、税制の問題、それらすべてとかかわる経済政策の再構築の問題(関連するTPP
参加のリスクの問題)、米軍基地・オスプレイ導入の問題等々、いま日本社会が直面
する重要な課題について、報じ、論じ、検討を深め、問題を問題として共有し、問題
解決の方途を早期に見出してゆくプロセスを、日本社会は歩んでいない。

 マスメディアによる「大勢」が熟慮や議論や検討よりも前に形成され、権威づけら
れ補強される。その結果、その後の熟慮、検討による変化の伝達が遅れ、より広範な
議論、検討、熟慮が遅れたり形成されなかったりする現象を生み出している。

 マスメディアは、自分たちが送り出し、結果として形成している擬似環境について
の検証を、これ以上放置するわけにはいかないところまで来ているように思えてなら
ない。

 自民党はかつて、長期政権によって政財官の一体化を進め、公共事業などをめぐる
利権をテコに地域の金と票をまとめ、強固なムラを形成するなどして、日本の政治の
進展を滞留させてきたが、今度はマスメディアが、それを代替する存在へと堕そうと
してないか。

 意図してであろうと、そうではなかろうと、結果的にマスメディアが逃避の道を用
意し、目をふさぎ、口をふさぐ役割を果たしいるのであれば、これは安倍政権が指し
示している亡国の道と同類である。

 放送の編成、新聞の紙面のありようは、これまでのままでいいのか。同じ時代を生
きる私たちが、ともに時代を直視し、立ち向かい、改革を成し遂げてゆく力の源泉と
しての役割を果たすために、マスメディアはもういちど現状を真剣に見直し、態勢を
しっかりと立て直し、整え直す時期に来ているように思う。


自民30・6%で1位守る 共同通信世論調査(サンスポ15日)
http://www.sanspo.com/smp/geino/news/20130715/pol13071505090001-s.html
安倍内閣支持率“5割切る”政権発足後初…(テレ朝16日)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000008811.html
参院選の本社世論調査:アベノミクス評価は61%、批判票受け皿は共産
(神奈川新聞16日)
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1307160027/
東北の経営者ら 参院選での経済論戦、物足りぬ(河北新報19日) 
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/07/20130719t72005.htm
参院選「大いに関心」31% 朝日新聞世論調査(朝日新聞18日)
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307170782.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
ロイター企業調査:自民独走警戒で公明の抑止期待、財政危機不安高まる
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE96H08V20130718?sp=true
安倍政権の課題を海外メディアが指摘【争点:アベノミクス】(huffpost17日)
http://m.huffpost.com/jp/entry/3608990

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