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 日本メディアの想像力劣化 秘密保全法案とも関連

2013.08.02(23:28) 930

JCJ機関紙{ジャーナリスト」2013年7月25日号より


           スノーデン氏の事件は、他人事ではない

       日本メディアの想像力劣化 秘密保全法案とも関連

                             金平茂紀

 CIA(米中央情報局)およびNSA(米国家安全保障局)の元局員だったエドワ
ード・スノーデン氏が、アメリカ政府が秘密裏に行っていた個人情報収集の実態を内
部告発した出来事は、個人のプライバシー保護という基本権と、国家機関による実質
無制限の治安維持活動との本質的関係を浮かび上がらせたという点で、きわめて重大
な事件だ。

 考えてみるがいい。あなたが日々やりとりしている携帯電話の通話内容や、インタ
ーネットを通した電子メール、チャット、動画、写真、ファイル転送、ビデオ会議な
どが知らぬ間に第三者(今回の場合は治安機関)に傍受されていたとしたら。

 その昔、イギリスの作家ジョージ・オーウェルが描いた近未来小説『1984』
(村上春樹の『1Q84』ではない!念のため)に描かれていた、国家による極限的
な監視社会(モデルはスターリン時代のソ連だといわれている)が現代において現実
の出来事として再現されたようなものだ。小説の中のあの有名なスローガン「Big
Brother Is Watching You」(偉大なる兄があなたを見守っている)は実在していた
のだ。

 ところが日本の反応はどうだろうか。日本を含めた38カ国の友好国の大使館も盗
聴されていたというのに。独仏はカンカンに怒った。菅官房長官の「米国内の問題な
ので米国内で処理されることだ」には失笑を禁じえないが、マスメディアの報じ方も
世界のメディアの論調と見事にズレていなかっただろうか?

 もっぱらスノーデン氏の亡命受け入れ国がどこだとか、滞在先ロシアや香港とアメ
リカ政府との身柄引き渡しをめぐる駆け引きばかりに焦点が当てられて、この問題の
本質を深く掘る姿勢が欠如していなかったか。どうも「英雄か、裏切り者か」という
ような紋切り型報道が目立っていたような気がする。なぜ、そうなるのだろうか。自
省を込めて考えてみる。

 一つにはメディア記者たちの立ち位置が、もっぱら「取り締まる側」「捜査する
側」と同調する傾向がとみに強まっていることがある。これ以上は詳述しない。さら
には盗聴を含めた情報収集の実態に対する想像力が劣化しているということもある。
精神の内面の自由は何ものにも侵されてはならない最低限の権利だ。そのことへ思い
を致す想像力が鈍ってきてはいまいか。

 学者たちの間でも論議を呼んでいる「秘密保全法案」(秋の臨時国会に提出される
といわれている)や、すんなりと通ってしまった「マイ・ナンバー法」などと、スノ
ーデン氏の出来事は深く結びついている。ガーディアン(英)、ワシントン・ポス
ト(米)、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(香港)という硬質の3紙が、内部
告発の掲載先として選択された意味は、決して小さくはない。

                           (TVジャーナリスト)
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